ドリームチェイサー宇宙船、シャトル着陸施設の使用締結 2022年打ち上げ予定
シエラネバダが開発中の有翼宇宙船「ドリームチェイサー」(Credit: NASA、SNC)

アメリカの民間航空宇宙企業シエラ・ネバダ・コーポレーションは、有翼宇宙船「ドリームチェイサー」の着陸にフロリダ州のNASAシャトル着陸施設を使用する契約をSpace Florida(スペース・フロリダ)と締結したと発表しました。同社はNASAとCRS-2(Commercial Ressuply Services: 商業輸送サービス)を契約しています。CRS-2では国際宇宙ステーション(ISS)へ滞在している飛行士の物資や食品、実験装置などを運搬することになっています。ドリームチェイサーは、2022年にULA(ユナイテッド・ローンチ・アライアンス)の最新ロケット「ヴァルカン」で打ち上げられる予定です。

【▲ シエラ・ネバダが開発中の有翼宇宙船「ドリームチェイサー」(Credit: NASA、SNC)】
【▲ シエラ・ネバダが開発中の有翼宇宙船「ドリームチェイサー」(Credit: NASA、SNC)】

NASAシャトル着陸施設は、1981年から2011年に運用されたスペースシャトルが着陸した滑走路です。合計で78回の着陸がこの施設で行われました。2011年7月に行われたスペースシャトルの最終ミッション「STS-135」においてもシャトルの「アトランティス」号が着陸した歴史的な場所でもあります。現在、同滑走路はフロリダ州の宇宙活動の促進を行う官民組織「Space Florida(スペース・フロリダ)」がNASAとの30年契約で管理を行なっています。

CRS-2ではドリームチェイサーに加えて、スペースXの「カーゴ・ドラゴン」、ノースロップグラマンの「シグナス」が選定されています。このうちスペースXの宇宙船は今年6月上旬の打ち上げが予定されています。

ドリームチェイサーは唯一の有翼宇宙船です。特徴としては地球へ帰還し、再利用が可能なことです。カーゴドラゴンも地球へ帰還し、再利用されますがカプセル型宇宙船のため着水します。一方、シグナス宇宙船は大気圏に突入し、燃え尽きるなど3つの機体はそれぞれ特徴を持っています。

 

Image Credit: NASA/SNC
Source: SNC/Space.com
文/出口隼詩