【▲ 2重小惑星「ディディモス」と「DART機」、「LICIACube」のイラスト。(Credit: NASA/Johns Hopkins APL/Steve Gribben)】

NASAは4月15日、NASAの惑星防衛プログラムによる初めての実証実験、2重小惑星軌道変更実証実験(Double Asteroid Redirection Test。以下DART)の調査チームに新たに4人の科学者を選定したと発表しました。

惑星防衛プログラムは小惑星や彗星などの衝突の脅威から地球を防衛するためにNASAが実施しているプログラムで、地球に衝突する潜在的な危険性のある天体について、発見・追跡・監視などを後援し、かつ、その警告をおこなうと共に、衝突を防ぐための技術の開発をおこなっています。

【▲ DARTを解りやすく解説したイラスト。(Image Credit: NASA/Johns Hopkins APL)】

DARTでは、2重小惑星の小さいほうの小惑星(直径約160m)に2021年後半に打ち上げ予定のDART機衝突させ、その軌道の変更を試みます。2022年10月1日辺りをめどに、約500kgのDART機を6.6km/sで衝突させます。その模様はDART機から衝突の前に切り離されたイタリア宇宙機関のLICIACubeによって詳しく観測されます。

今回このDARTの調査チームに新たに4名の科学者が参加することになりました。

ジェット推進研究所のボニー・ブラッティ博士(Dr. Bonnie Buratti)
DART機が到着する前には、地球から2重小惑星の表面の反射率や粗さを調べ、DART機の到着後は、DART機からのデータを使ってさらにそれらを詳しく調べ、2重小惑星の地質学的な特徴のマッピングを助けます。

メリーランド大学カレッジパーク校のルドミラ・コロコロワ博士(Dr. Ludmilla Kolokolova )
洗練された放射伝達モデル(radiative-transfer models)を使い、LICIACubeによって撮影された爆煙を分析、解釈して、DART機の衝突の効果を高めることに繋がる、噴出物の運動量の分布をよりよく理解します。

コロラド大学ボルダー校のジェイ・マクマホン博士(Dr. Jay McMahon)
非球体と放射力(radiative forces)の相互作用に関する力学理論を応用して、DART機の衝突以外の物理的作用による小惑星の軌道の変化をよりよく理解し、衝突後におこなわれる地球からのフォローアップ観測を助けます。

アリゾナ大学のスティーブン・シュワルツ博士(Dr. Stephen Schwartz)
衝突に関する流体ベースのシミュレーションを噴出物に関する分子ベースのシミュレーションに結び付ける数値計算的なアプローチを開発し、観測された爆煙の特性を小惑星の表面の物理的な特性によりよく関連付けます。

 

Image Credit: NASA/Johns Hopkins APL/Steve Gribben/ NASA/Johns Hopkins APL
Source: NASA
文/飯銅重幸

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