アメリカの宇宙企業アストロボティックは、月着陸船「Griffin」(グリフィン)についてスペースX社のファルコン・ヘビーロケットを使用して打ち上げると発表しました。グリフィンは、NASA(アメリカ航空宇宙局)が開発を行う月探査ローバー「VIPER」(Volatiles Investigating Polar Exploration Rover)を月面まで運びます。同社は2020年にVIPERを月へ輸送する契約をNASAと結んでいます。

アストロボティックの月着陸機グリフィンを打ち上げる予定のファルコン・ヘビーロケット(Credit: SpaceX)

【▲ アストロボティックの月着陸機グリフィンを打ち上げる予定のファルコン・ヘビーロケット(Credit: SpaceX)】

今回のアストロボティックの契約はNASAが進める「CLPS」(Commercial Lunar Payload Service:商業月輸送サービス)の一環として進められました。商業月輸送サービスでは、民間企業が月面に着陸機や月面ローバーを輸送。この契約を勝ち取ることで、NASAから補助金が支給される仕組みとなっており、企業はその補助金を使用して開発を行います。

グリフィンは2023年にフロリダ州にあるケネディー宇宙センター39A発射台からファルコン・ヘビーロケットでの打ち上げが予定されています。この発射台はアポロ計画やスペース・シャトル計画、さらにスペースX社のクルードラゴン宇宙船の打ち上げに使用されるなど歴史的な発射を実施した場所です。

NASAの月探査ローバー「VIPER」は、月の南極のクレーターに存在する「永久影」を調査する予定です。この永久影には、水や氷があると考えられており、このミッションで本格的な探査に乗り出します。発見された水や氷は将来行われる有人月探査計画に向けてさらなる研究が行われます。

ちなみに同社にとってグリフィンのミッションは、2回目のCLPSとなります。グリフィンが打ち上げられる前、今年後半には同社が開発をする月着陸船「Peregrine」(ペレグリン)のミッションが実施される予定です。ペレグリンは日本の民間企業が開発している月面ローバー「YAOKI」を月へ運ぶ重要なミッションもあり、こちらも目が離せません。

 

Image Credit: SpaceX
Source: Astrobotic/Space News
文/出口隼詩

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