ispace、UAEの月面探査ローバーの輸送契約をムハンマド・ビン・ラシード宇宙センターと締結
株式会社ispaceが開発を進めるランダー(月着陸船) (Credit:ispace)

株式会社ispaceとUAEドバイの政府宇宙機関であるムハンマド・ビン・ラシード宇宙センター(MBRSC)がペイロード輸送サービス契約を結びました。ispaceは、UAEの月面探査ローバー「Rashid」(ラシッド)を同社が進める民間月面探査プログラム「HAKUTO-R」で使用される月着陸船に搭載して月面まで送り届けます。

株式会社ispaceが開発を進めるランダー(月着陸船)(Credit:ispace website)
【▲ 株式会社ispaceが開発を進めるランダー(月着陸船)(Credit:ispace website)】

現在、UAEの月面探査ローバーはMBRSCが開発を進めています。ispaceは月までの輸送サービス契約だけでなく、月までの航行中に通信や電力、月面で無線通信を提供することにも合意したということです。

このミッションには、新たな知識や技術の習得、次世代研究者の育成などUAEが今後宇宙開発をしていくに従って重要な要素を含んでいます。

日本とUAEが月面への着陸に成功すると、アメリカ、ロシア、中国に引き続き同率4番目に月面へ着陸した国となります。

今回使用されるispaceの民間月面探査プログラム「HAKUTO-R」は独自のランダー(着陸機)とローバーを利用して月面着陸と月面探査の2回のミッションを行います。月面着陸ミッションを2022年に、月面探査ミッションを2023年に実施する予定です。どちらもスペースXのファルコン9ロケットを使用して打ち上げられます。

UAEは今年2月、中東初の火星探査機「HOPE」を火星周回軌道へ投入することに成功するなど宇宙開発に力を入れています。そんな中、UAEの月面探査ローバーの着陸に日本企業が関わることで、世界から注目を集めそうです。

 

Image Credit: ispace website
Source: ispace
文/出口隼詩