NASA火星探査車「Perseverance」が火星で初のセルフィーを撮影!

アメリカ航空宇宙局(NASA)のジェット推進研究所(JPL)は現地時間4月7日、2021年2月に火星へ着陸した火星探査車「Perseverance(パーセベランス、パーサヴィアランス)」が撮影した最初のセルフィー(自撮り)を公開しました。

火星探査車「Perseverance」(右)が初めて撮影したセルフィー。Perseveranceの左奥、画像中央付近の地表には火星ヘリコプター「Ingenuity」の姿が見えている(Credit: NASA/JPL-Caltech/MSSS)
【▲ 火星探査車「Perseverance」(右)が初めて撮影したセルフィー。Perseveranceの左奥、画像中央付近の地表には火星ヘリコプター「Ingenuity」の姿が見えている(Credit: NASA/JPL-Caltech/MSSS)】

こちらが今回公開されたセルフィーの1つ。発表前日の現地時間4月6日に撮影されたものです。Perseveranceのロボットアーム先端に取り付けられている観測装置「SHERLOC」に組み込まれているカメラ「WATSON」を使い、少しずつ向きを変えて撮影した62枚の画像をつなぎ合わせることで作成されています。

画像をよく見ると、Perseveranceの「頭」と表現されることもあるマストがカメラのほうを向いていないことがわかります。その「視線」の先、Perseveranceから約4m離れた地表には、Perseveranceに搭載されて火星へと運ばれた小型ヘリコプター「Ingenuity(インジェニュイティ)」の姿が見えています。なお、JPLからはマストがカメラを向いたバージョンも同時に公開されています。

Perseveranceのマストがカメラを向いているバージョン(Credit: NASA/JPL-Caltech/MSSS)
【▲ Perseveranceのマストがカメラを向いているバージョン(Credit: NASA/JPL-Caltech/MSSS)】

Perseveranceと比べてとても小さなIngenuityですが、史上初となる火星での動力飛行という大きなミッションへの挑戦を控えています。Ingenuityの初飛行は早ければ現地時間4月11日にも実施される予定で、その様子はPerseveranceのマストに搭載されているズーム対応カメラ「Mastcam-Z」などによって動画や静止画で撮影されます。

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火星探査車のセルフィーといえば先日も紹介した「Curiosity(キュリオシティ)」のセルフィーが有名ですが、これからはPerseveranceのセルフィーも私たちを楽しませてくれそうです。なお、NASAの火星探査車がセルフィー用に複数の画像を撮影する際のロボットアームの動きは、JPLが1年前に公開したこちらの解説動画で紹介されています。

ちなみに、Perseveranceのセルフィーを撮影したカメラ「WATSON」や、カメラが組み込まれている「SHERLOC」といった装置の名前は、アーサー・コナン・ドイルの推理小説に登場するホームズワトソンから名付けられています。火星で微生物の痕跡を探索するPerseveranceの重要なミッションに関わるSHERLOCの活躍にも期待です。

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Image Credit: NASA/JPL-Caltech/MSSS
Source: NASA/JPL
文/松村武宏