ディープスペースネットワークのマドリード局に建設された新アンテナ「DSS-56」(Credit: NASA/JPL-Caltech)

ディープスペースネットワークのマドリード局に建設された新アンテナ「DSS-56」(Credit: NASA/JPL-Caltech)

アメリカ航空宇宙局(NASA)のジェット推進研究所(JPL)は現地時間1月22日、JPLが運用する通信網「ディープスペースネットワーク(DSN:Deep Space Network)」を構成するスペインのマドリード深宇宙通信施設(以下マドリード局)で建設中の新しいアンテナが同ネットワークに追加されたことを発表しました。

追加されたのは2017年から建設が進められてきたマドリード局の「DSS-56(Deep Space Station-56)」と呼ばれる直径34mのアンテナです。DSS-56はディープスペースネットワークで使用されている周波数帯すべてに初めて対応したアンテナで、マドリード局で運用されている他のアンテナのバックアップとして使用することも可能とされています。

JPLによると、ディープスペースネットワークの既存のアンテナは送受信できる周波数帯が限られており、通信できる探査機がアンテナによって異なっていたといいます。NASA宇宙通信およびナビゲーション(SCaN)プログラムのBadri Younes氏は「DSS-56はさらなる柔軟性と信頼性をディープスペースネットワークにもたらします」と語ります。

マドリード局では新型コロナウイルス感染症や今シーズンの記録的な降雪の影響を受けつつもDSS-56の試験運用が進められており、日本時間2月19日朝に火星へ着陸する火星探査車「Perseverance(パーセベランス、パーサヴィアランス)」も含め、ディープスペースネットワークの一部として実際に探査機と通信を交わす準備が整ったとされています。

NASA科学ミッション本部の副本部長Thomas Zurbuchen氏は「国際パートナーシップの下で建設されたこの最新のアンテナは、私たちが深宇宙の探索を続けることで最終的には全人類に恩恵をもたらすでしょう」とコメントしています。

 

Image Credit: NASA/JPL-Caltech
Source: NASA/JPL
文/松村武宏

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