クルードラゴン3回目の運用ミッションに参加する宇宙飛行士が発表される
クルー3ミッションへの参加が発表された宇宙飛行士たち。左から:ラジャ・チャリー宇宙飛行士(NASA)、マティアス・マウラー宇宙飛行士(ESA)、トーマス・マーシュバーン宇宙飛行士(NASA)(Credit: NASA/ESA)
クルー3ミッションへの参加が発表されたたち。左から:ラジャ・チャリー(NASA)、マティアス・マウラー(ESA)、トーマス・マーシュバーン(NASA)(Credit: NASA/ESA)

アメリカ航空宇宙局(NASA)は12月15日、の有人宇宙船「クルードラゴン」による「クルー3(Crew-3)」ミッションのメンバーに、NASAのラジャ・チャリー(Raja Chari)宇宙飛行士トーマス・マーシュバーン(Thomas Marshburn)宇宙飛行士、それに欧州宇宙機関(ESA)のマティアス・マウラー(Matthias Maurer)宇宙飛行士の3名が選ばれたことを発表しました。なお、クルー3には4名の宇宙飛行士が参加することになっており、最後の1人は後日追加される予定です。

クルー3のコマンダーを務めるNASAのチャリー宇宙飛行士は今回が初の宇宙飛行となります。2017年に選抜されたチャリー氏は米空軍のテストパイロットとして豊富な経験を有しており、これまでの飛行時間は2500時間以上。チャリー氏はNASAの有人月面探査計画で月を目指す18名の宇宙飛行士「アルテミスチーム」にも選出されており、将来のミッションにおいて月に立つ可能性があります。

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ミッションスペシャリストを務めるドイツ出身のマウラー宇宙飛行士も今回が初の宇宙飛行で、現在は2021年春に打ち上げが予定されている「クルー2(Crew-2)」ミッションに参加するESAのトマ・ペスケ(Thomas Pesquet)宇宙飛行士のバックアップクルーとして訓練を受けています。マウラー氏はアーヘン工科大学で材料科学工学の博士号を取得し、宇宙飛行士に選抜される前は医療用ディスポーザブル(使い捨て)製品を製造するための材料や技術の研究などに携わりました。

また、パイロットを務めるNASAのマーシュバーン宇宙飛行士は今回が3回目の宇宙飛行です。2004年に選抜されたマーシュバーン氏の最初の飛行は(ISS)の日本実験棟「きぼう」の船外実験プラットフォームを運んだによる「STS-127」ミッション(2009年)で、2回目はISS第34/35次長期滞在(2012~2013年)でした。ちなみにSTS-127では、ISS第18/19次長期滞在に参加した宇宙航空研究開発機構(JAXA)の若田光一宇宙飛行士がマーシュバーン氏らとともにで地球へ帰還しています。

チャリー氏、マーシュバーン氏、マウラー氏の3名と後日追加される1名を加えた4名によるクルー3の打ち上げは、2021年秋が予定されています。なお、星出彰彦宇宙飛行士も参加するクルー2の宇宙飛行士4名は、クルー3の4名が到着するのと入れ替わるようにしてを離れ、地球へ帰還する予定です。

 

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Image Credit: NASA/ESA
Source: NASA / ESA
文/松村武宏