アルテミス計画のロゴマーク(Credit: NASA)

アルテミス計画のロゴマーク(Credit: NASA)

NASAは12月10日、将来の持続的な有人月面探査の足掛かりとなる「アルテミス計画」でミッションに臨む18名の宇宙飛行士が選出されたことを発表しました。アルテミス計画では2024年に最初の有人月面探査ミッション「アルテミス3」が実施される予定となっており、18名のうち2名が1972年12月の「アポロ17号」以来半世紀ぶりに月へ降り立つことになります。

「アルテミスチーム(Artemis Team)」として今回発表された18名はすべてアメリカの宇宙飛行士です。いずれも専門知識を有するエキスパートであり、スペースシャトルでの飛行経験があるベテランの飛行士発表時点で国際宇宙ステーション(ISS)に滞在している飛行士もいますが、半数の9名は宇宙飛行が未経験。発表では日本などのアルテミス計画に協力する国も含め、必要に応じて宇宙飛行士がチームに追加される可能性にも言及しています。

メンバーを紹介したアメリカのマイク・ペンス副大統領は「月に降り立つ次の男性と初の女性がいま読み上げた名前の中に含まれているのは素晴らしいことです。アルテミスチームの宇宙飛行士たちはアメリカの宇宙探査の未来であり、その未来は輝かしい」とコメントしています。

なお、今回発表された宇宙飛行士の略歴は以下の通りです。JAXA(宇宙航空研究開発機構)の宇宙飛行士とともに国際宇宙ステーションに滞在したりスペースシャトルで飛行したりした経験のある宇宙飛行士も含まれています。

アルテミス計画のNASAの宇宙飛行士

NASAのArtemis Teamウェブサイトより(Credit: NASA/Bill Ingalls)

ジョセフ・アカバ(Joseph Acaba)宇宙飛行士
NASAの宇宙飛行士として2004年に選抜。地質学の学士号(カリフォルニア大学サンタバーバラ校)と教育学(テキサス工科大学)および地質学(アリゾナ大学)の修士号を取得。スペースシャトルのSTS-119ミッション(2009年)、ISS第31/32次長期滞在(2012年)、ISS第53/54次長期滞在(2017年~2018年)に参加。ISSの第32次長期滞在ではJAXAの星出彰彦宇宙飛行士と、第53次長期滞在では金井宣茂宇宙飛行士とともに滞在。

カイラ・バロン(Kayla Barron)宇宙飛行士
NASAの宇宙飛行士として2017年に選抜。システム工学の学士号(米国海軍兵学校)と原子力工学の修士号(ケンブリッジ大学)を取得。宇宙飛行経験はなし。

ラジャ・チャリー(Raja Chari)宇宙飛行士
NASAの宇宙飛行士として2017年に選抜。宇宙工学の学士号(米国空軍士官学校)と航空宇宙工学の修士号(マサチューセッツ工科大学)を取得。宇宙飛行経験はなし。

マシュー・ドミニク(Matthew Dominick)宇宙飛行士
NASAの宇宙飛行士として2017年に選抜。電気工学の学士号(サンディエゴ大学)とシステム工学の修士号(米国海軍大学院)を取得。宇宙飛行経験はなし。

ビクター・グローバー(Victor Glover)宇宙飛行士
NASAの宇宙飛行士として2013年に選抜。総合工学の学士号(カリフォルニア工科州立大学)とシステム工学の修士号(米国海軍大学院)を取得。スペースXの有人宇宙船「クルー・ドラゴン」による「クルー1(Crew-1)」ミッションの長期滞在クルーとして2020年11月からJAXAの野口聡一宇宙飛行士らとともにISSに滞在中。

関連:野口宇宙飛行士、ISSに到着! 「クルー・ドラゴン」運用初号機の位置づけと乗組員たち

ウォーレン・ホバーグ(Warren Hoburg)宇宙飛行士
NASAの宇宙飛行士として2017年に選抜。航空宇宙工学の学士号(マサチューセッツ工科大学)と電気工学およびコンピューターサイエンスの博士号(カリフォルニア大学バークレー校)を取得。宇宙飛行経験はなし。

アルテミス計画のNASAの宇宙飛行士

NASAのArtemis Teamウェブサイトより(Credit: NASA/Bill Ingalls)

ジョニー・キム(Jonny Kim)宇宙飛行士
NASAの宇宙飛行士として2017年に選抜。数学の学士号(サンディエゴ大学)と医学の博士号(ハーバード大学医学大学院)を取得。宇宙飛行経験はなし。

クリスティーナ・コック(Christina Hammock Koch)宇宙飛行士
NASAの宇宙飛行士として2013年に選抜。電気工学および物理学の学士号と電気工学の修士号(いずれもノースカロライナ州立大学)を取得。ノースカロライナ州立大学名誉博士。ISS第59/60/61次長期滞在(2019年~2020年)に参加、この時の連続宇宙滞在日数328日は女性宇宙飛行士の最長記録。

関連:3名を乗せたソユーズ宇宙船が帰還、女性による連続宇宙滞在記録が更新される

チェル・リングリン(Kjell Lindgren)宇宙飛行士
NASAの宇宙飛行士として2009年に選抜。生物学の学士号(米国空軍士官学校)、心血管生理学の修士号(コロラド州立大学)、医学の博士号(コロラド大学)を取得。ISS第44/45次長期滞在(2015年)に参加、JAXAの油井亀美也宇宙飛行士とともに滞在。

ニコール・マン(Nicole A. Mann)宇宙飛行士
NASAの宇宙飛行士として2013年に選抜。機械工学の学士号(米国海軍兵学校)と修士号(スタンフォード大学)を取得。宇宙飛行経験はなし。ボーイングが開発中の新型有人宇宙船「スターライナー」の有人飛行試験(2021年実施予定)に搭乗する宇宙飛行士の一人として訓練中。

関連:ボーイングの新型宇宙船「スターライナー」来年6月に有人飛行試験実施の予定

アン・マクレイン(Anne McClain)宇宙飛行士
NASAの宇宙飛行士として2013年に選抜。機械/航空工学の学士号(米国陸軍士官学校)と航空宇宙工学(バース大学)および国際関係(ブリストル大学)の修士号を取得。ISS第58/59次長期滞在(2018年~2019年)に参加。

ジェシカ・メイヤー(Jessica Meir)宇宙飛行士
NASAの宇宙飛行士として2013年に選抜。生物学の学士号(ブラウン大学)、宇宙学の修士号(国際宇宙大学)、海洋生物学の博士号(スクリップス海洋研究所)を取得。ISS第61/62次長期滞在(2019年~2020年)に参加。

NASAのArtemis Teamウェブサイトより(Credit: NASA/Bill Ingalls)

ジャズミン・モーグベリー(Jasmin Moghbeli)宇宙飛行士
NASAの宇宙飛行士として2017年に選抜。航空宇宙工学の学士号(マサチューセッツ工科大学)と修士号(米国海軍大学院)を取得。宇宙飛行経験はなし。

キャスリーン・ルビンズ(Kathleen "Kate" Rubins)宇宙飛行士
NASAの宇宙飛行士として2009年に選抜。分子生物学の学士号(カリフォルニア大学サンディエゴ校)とがん生物学の博士号(スタンフォード大学)を取得。ISS第48/49次長期滞在(2016年)に参加、JAXAの大西卓哉宇宙飛行士とともに滞在。2020年10月からはISS第64次長期滞在クルーの一員としてISSに滞在中。

フランク・ルビオ(Frank Rubio)宇宙飛行士
NASAの宇宙飛行士として2017年に選抜。国際関係の学士号(米国陸軍士官学校)と医学の博士号(米国軍保健科学大学)を取得。宇宙飛行経験はなし。

スコット・ティングル(Scott Tingle)宇宙飛行士
NASAの宇宙飛行士として2009年に選抜。機械工学の学士号(マサチューセッツ大学ダートマス校)と修士号(パデュー大学)を取得。ISS第54/55次長期滞在(2017年~2018年)に参加、JAXAの金井宣茂宇宙飛行士とともに滞在。

ジェシカ・ワトキンス(Jessica Watkins)宇宙飛行士
NASAの宇宙飛行士として2017年に選抜。地質学と環境科学の学士号(スタンフォード大学)と地質学の博士号(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)を取得。宇宙飛行経験はなし。

ステファニー・ウィルソン(Stephanie Wilson)宇宙飛行士
NASAの宇宙飛行士として1996年に選抜。工学の学士号(ハーバード大学)と航空宇宙工学の修士号(テキサス大学オースティン校)を取得。スペースシャトルのSTS-121ミッション(2006年)、STS-120ミッション(2007年)、STS-131ミッション(2010年)に参加。STS-131ではJAXA(当時)の山崎直子宇宙飛行士とともに飛行。

 

Image Credit: NASA/Bill Ingalls
Source: NASA (1) / NASA (2)
文/松村武宏

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