ボーイング「スターライナー」2回目の無人飛行試験は2021年3月実施予定

NASAは12月10日、ボーイングが開発中の新型有人宇宙船「スターライナー」による国際(ISS)へのドッキングを目指す2回目の無人軌道「OFT-2(Orbital Flight Test-2)」の打ち上げ実施が2021年3月29日に予定されていることを発表しました。

2回目の軌道「OFT-2」に向けて準備が進むスターライナーのクルーモジュール(Credit: Boeing)

スターライナーはスペースXの有人宇宙船「クルー・ドラゴン」とともにNASAのコマーシャルクループログラム(商業乗員輸送計画)のもとで開発がスタートした有人宇宙船です。2019年12月にはスターライナーの初飛行となる無人軌道「OFT」が実施されましたが、機体に搭載されていたタイマーの問題により計画されていた軌道に入ることができず、国際への到達を断念して地球に帰還しています。

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ボーイングとNASAはOFTの結果をもとに独立調査チームから示された勧告を受けて対策を講じ、OFT-2の準備を進めてきました。OFT-2は2020年8月の時点で同年12月にも実施される予定とされていましたが、今回の発表により3か月ほど延期されたことが明らかになった形です。

また、8月の時点ではOFT-2に続く有人飛行試験「CFT(Crew Flight Test)」が2021年6月に実施される予定とされていましたが、今回の発表では2021年夏と表現されており、OFT-2に合わせてこちらもスケジュールが遅れる可能性があります。

CFTではボーイング(元NASA)のクリストファー・ファーガソン、NASAのマイケル・フィンクおよびニコール・マンの3名がスターライナーに搭乗することが発表されています。このうちマンは月面有人探査を行うで月を目指す18名の宇宙飛行士「アルテミスチーム」の一員にも選出されています。

CFTでスターライナーに搭乗する3名の宇宙飛行士。左から:マン飛行士、フィンク飛行士、ファーガソン飛行士(Credit: Boeing)

なお、OFT-2とCFTの後に計画されているスターライナーによる最初の運用ミッション「スターライナー1(Starliner-1)」について、8月の時点では2021年12月に実施予定とされていましたが、今回の発表では時期について触れられていません。

 

Image Credit: Boeing
Source: NASA
文/松村武宏