サンプル採取装置「TAGSAM」の先端部分を収容し、カバーが閉じられた回収カプセル「SRC」(Credit: NASA/Goddard/University of Arizona/Lockheed Martin)

NASAは10月30日、小惑星探査機「OSIRIS-REx(オシリス・レックス)」によって日本時間10月21日朝に採取された小惑星ベンヌのサンプル回収カプセル(SRC:Sample Return Capsule)に収容する作業が完了したことを発表しました。

オシリス・レックスに搭載されているカメラのひとつ「StowCam」によって撮影された一連の画像には、サンプル採取装置「TAGSAM(Touch-And-Go Sample Acquisition Mechanism)」の先端部分が回収カプセルの所定の位置に固定され、TAGSAMのアームと先端部分が切り離された後に、回収カプセルのカバーが閉じられている様子が写っています。

プロジェクトマネージャーのRich Burns氏によると、収容プロセスは複雑であるために何回かの試行が必要になると予想されていたものの、幸いにも最初の試行で先端部分を固定することができたため、収容プロセスを迅速に進めることができたといいます。とはいえ、3億3000万km以上離れている地球とオシリス・レックスの通信には片道18分半以上のタイムラグが生じており、運用チームは準備も含めて24時間体制で2日間かけて段階的に収容プロセスを進める必要があったとされています。

TAGSAMの先端部分を回収カプセルの所定の位置に運んでいる様子(左)と、先端部分がロックされたところ(右)(Credit: NASA/Goddard/University of Arizona/Lockheed Martin)

オシリス・レックスのミッションでは少なくとも60グラム以上のサンプルを地球に持ち帰ることが目標とされていますが、既報の通り、採取時の様子や採取後にTAGSAMを撮影した画像をもとに、60グラムを大幅に上回る量のサンプル採取に成功したと判断されています。ただ、TAGSAMの先端部分内部に設けられているフラップ(蓋)には完全に通過できなかった大きなサイズの石によってすき間が生じ、そこから小さな粒子が通り抜けているとみられていました。

採取したサンプルをさらに失うことを避けるべく、探査機を回転させる必要があったサンプルの質量測定作業は中止されており、11月2日に予定されていた回収カプセルへの収容作業もスケジュールが繰り上げられていました。発表によると、回収カプセルへの収容作業中にも一部の粒子が漏れ出たとみられているものの、収容されたTAGSAMの先端部分には多くのサンプルが残っていると運用チームは確信しているとのことです。

サンプルの収容が完了したことで、オシリス・レックスのミッションはいよいよ地球への帰還に向けたフェーズに進むことになります。ベンヌからの出発ウィンドウは2021年3月に開くとされており、オシリス・レックスの地球への帰還は今からおよそ3年後となる2023年9月24日に予定されています。主任研究員のDante Lauretta氏は「地球で受け取った回収カプセルを開くのが楽しみです」とコメントしています。

 

関連:十分なサンプルが得られたと判断。NASAが小惑星探査機オシリス・レックスの最新画像を公開

Image Credit: NASA/Goddard/University of Arizona/Lockheed Martin
Source: NASA
文/松村武宏

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