火星探査車「Perseverance」が中間地点を通過、火星着陸は2021年2月
火星に向けて飛行中のPerseveranceを描いた想像図(Eyes on the Solar Systemより)(Credit: NASA/JPL-Caltech)

日本時間2020年7月30日、NASAは火星探査車「Perseverance(パーセベランス、パーサヴィアランス)」をフロリダのケープカナベラル空軍基地から打ち上げました。Perseveranceは打ち上げ直後に一時セーフモードに入ったもののその後の飛行は順調で、円弧状の軌道に乗って地球を離れ火星を目指しています。

NASAのジェット推進研究所(JPL)は、Perseveranceが約4億7000万kmの旅路の中間地点を日本時間10月28日5時40分に通過したことを明らかにしました。太陽を公転する火星に対して並走しつつ接近するように飛行しているPerseveranceは、2021年2月18日に火星のジェゼロ・クレーターに着陸する予定です。

地球の軌道(青)、火星の軌道(オレンジ)、Perseveranceの軌道(白)を描いた図。白い点が中間地点を示す。地球と火星の位置は出発時(at launch)と到着時(at arrival)が示されている(Credit: NASA/JPL-Caltech)

JPLによると、現在Perseveranceから地球までの距離は約4270万km、火星までの距離は約2880万kmとされており、すでに火星のほうが近くなっています。地球とPerseveranceの通信には現在片道2分22秒のタイムラグが生じていますが、来年2月の着陸時における地球と火星の距離は約2億900万kmまで広がり、タイムラグも11分半まで延びるとされています。

また、飛行中のPerseveranceでは各種観測装置のチェックも進められていて、10月15日には地中レーダー「RIMFAX」と酸素生成実験装置「MOXIE」、10月19日には環境ダイナミクス分析装置「MEDA」の状態が良好であると確認されています。ミッションの副チーフエンジニアを務めるKeith Comeaux氏は「着陸までやるべきことでいっぱいです」とコメントしています。

なお、Perseveranceの現在位置はNASAが公開している「Eyes on the Solar System」で確認することができます(URL:https://eyes.nasa.gov/apps/orrery/#/sc_perseverance)。Eyes on the Solar SystemではPerseveranceをはじめとした探査機や惑星の位置や姿が実際のデータをもとに3Dで再現されています。

 

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Image Credit: NASA/JPL-Caltech
Source: NASA/JPL
文/松村武宏