日本時間2020年7月30日、忍耐を意味する名を付けられた火星探査機「Perseverance」は、火星に向けて旅立ちました。打ち上げから既に1ヶ月以上が経過した今、地球からどれくらい離れたのか、太陽系のどの辺りを飛行しているのか、そして残りどれくらいの距離を旅するのか、気になりますよね?
そんな知りたくなる情報をNASAのジェット推進研究所(JPL)が、NASAのサービスを利用してPerseveranceのリアルタイム情報を確認できる方法を紹介しています。それでは内容を見ていきましょう。
※「Perseverance」はニュースメディアによって、パーセべランス・パーシビアランス・パーサビアランスといった多岐に渡る読み方で紹介されています。
太陽系に向けられた眼
「Perseverance」の現在地を確認するには、NASAが公開している「Eyes on the Solar System」を利用します。Eyes on the Solar Systemは太陽系の惑星や探査機を3DCGで再現したシミュレーターです。実際のデータが用いられているため、リアルタイムで「Perseverance」などの探査機や惑星の情報を確認することができます。
こちら(https://eyes.nasa.gov/apps/orrery/#/sc_perseverance)にアクセスしてみてください。
3DCGで再現された「Perseverance」が表示されます。しかも、ただ見るだけでなく太陽系を漂うこの機体をマウスやフリック操作で360度くるくる動かすことが可能で、お好きなアングルで楽しめます。普段見ることができない箇所も(CGではありますが)確認できますね。
また、画面の各情報を説明すると、上側には「現在の日時」、左側にはミッションの詳細や「地球との距離」「火星との距離」などのステータスが表示されます。さらに、「READ MORE」を押すことで着陸までのカウントダウンが表示され、「COMPARE SIZE」を押すと、「Perseverance」と他の探査機との大きさの比較も可能です。
その他にも、リアルな3GCGで描かれた太陽系の惑星情報や探査機情報、大きさ比較など、様々な閲覧方法もありますので、色々と試してみてください。
なお、ミッションデザインエンジニアのFernando Abilleira氏は「Eyes on the Solar SystemはPerseveranceの軌道データをリアルタイムで可視化しています。探査機と一緒に火星への旅を楽しみたい方は、ぜひ見てみてください」と述べています。
火星への約6ヶ月の旅
「Perseverance」が火星に着陸するのは2021年2月18日を予定しています。着陸するのは数十億年前に湖があった可能性があり、生命の痕跡が見つかるかもしれないと注目されている「ジェゼロ・クレーター(Jezero Crater)」です。
ジェゼロ・クレーターの西側にあるこの画像の地形は、水が運んだ堆積物によって形成された三角州とみられています。
NASAと欧州宇宙機関(ESA)では火星からのサンプルリターンミッションを計画しており、「Perseverance」はジェゼロ・クレーターのサンプルの採取と保管容器への封入という最初のステップを担います。そのサンプル保管容器は数年後に打ち上げられるESAの探査車によって回収されます。つまり、ジェゼロ・クレーターのサンプルは人間が初めて手にする火星の土になるかもしれません。
そんな大きなミッションの第一歩となる「Perseverance」の火星着陸は、もう数ヶ月後に迫っています。「Eyes on the Solar System」を閲覧しながらリアルタイムで着陸寸前カウントダウンをするなど盛り上がりたいですね。
Image Credit: NASA/JPL-Caltech
Source: NASA/JPL-Caltech / EarthSky