以前の記事で持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)に天文学を応用する話題をご紹介しましたが、欧州宇宙機関(ESA)でもその取り組みは行われています。現在、SDGsを達成するためにESAが関わっている多くのプロジェクトをウェブブラウザ上の地球儀で俯瞰することができるツールが公開されています。SDGsには「貧困をなくそう」「飢餓をゼロに」といった17のゴールがあり、これらは持続可能でよりよい世界を目指す国際目標として2015年9月の国連サミットで採択されたものです。

ESAでは経済成長や社会的発展、環境保護に必要なツールを生み出しています。例えば、宇宙のような厳しい環境に適した材料の開発、人工衛星やモバイルデバイスを使った医療支援、遠隔地への教育支援といったものがあります。こうした活動は「people」(人々)、「prosperity」(繁栄)、「planet」(惑星)、「peace」(平和)、「partnerships」(協力、パートナーシップ)という5つのカテゴリーに分類され、関連する17のゴールとともにESAのSDGプロジェクトポータルサイトに掲載されています。

今回のツールはこれらの活動が地球上のどのような場所で行われているのか、どのような活動なのかをカテゴリーごとに探索できるものです。ESAの「Member States Relations and Partnerships Office」(加盟国関係およびパートナーシップオフィス)の代表を務めるIsabelle Duvaux-Béchon氏は「ESAの『Space for Earth』という計画・構想は、宇宙を私たちの日常生活にどのように役立てることができるのか、宇宙が地球上の課題にどう対処できるのかという知識を共有するとともに、宇宙に関する計画の結果として生まれるスピンオフやアプリケーション、サービスを促進するため、2008年に開始されました。非常に多くの、バラエティに富んだプロジェクトがESAを通じて実行され、それらがSDGプロジェクトポータルサイトで見られるのは素晴らしいことです」とコメントしています。

ツールはESAのWebサイトで公開されているほか、オリジナルのものはこちらで公開されています。文章は英語のみで表記されていますが、地図上の位置とプロジェクトの画像から、ヨーロッパ・アフリカを中心とした各地でさまざまな取り組みが行われていることがわかります。

 

関連:「持続可能な開発のための天文学」に関するプロジェクトの募集開始。新型コロナ特別版も

Image: ESA
Source: ESA
文/北越康敬

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