火星探査車「パーセベランス」を描いた想像図(Credit: NASA/JPL-Caltech)

NASAの新しい火星探査車「パーセベランス(Perseverance)」の打ち上げが迫っています。7月27日、NASAのジム・ブライデンスタイン長官はパーセベランスの打ち上げ準備完了審査(LRR:Launch Rediness Review)が完了したことを発表しました。

■打ち上げ予定日時は7月30日20時50分、NASA TVがライブ中継

パーセベランスはユナイテッド・ローンチ・アライアンス(ULA)の「アトラスV」ロケットにすでに搭載されており、日本時間7月28日(火)の夜には発射台への移動が始まります。打ち上げは日本時間7月30日(木)20時50分の予定で、米空軍によると当日の天候は80パーセントの確率で打ち上げの条件が満たされる見込みとなっています。

30日の打ち上げ当日は日本時間20時からNASA TVにてライブ中継が予定されており、NASAのウェブサイトや公式YouTubeチャンネルなどで視聴することが可能です。打ち上げ期間は8月15日までが確保されており、期間中どのタイミングで打ち上げられても火星のジェゼロ・クレーターには2021年2月18日に到着します。

NASAの火星探査ミッション「マーズ2020」の探査車であるパーセベランスは、2012年8月から火星のゲール・クレーターで探査を行っている「キュリオシティ(Curiosity)」をベースに開発された探査車です。これまでのミッションでは過去の火星が生命を支え得る環境だったかどうかが調べられてきましたが、マーズ2020では生命の痕跡そのものの探索に挑戦します。

およそ1トンのパーセベランスを支える6つのアルミニウム製ホイールはキュリオシティの経験をもとに耐久性を強化カラー撮影が可能な複数のカメラや火星の音を録音できるマイクも備えられています。車体下部には電力で駆動する二重反転式のローターを備えた小型ヘリコプター「インジェニュイティ(Ingenuity)」が搭載されており、将来の探査ミッションのために火星における動力飛行の実証が行われます。

また、NASAが欧州宇宙機関(ESA)と共同で取り組んでいる火星からのサンプルリターンミッションにおいてサンプル採取の役割を担うパーセベランスには、採取したサンプルを保管するための容器が43本搭載されています。密封後の保管容器はパーセベランスによって火星の地表に置かれ、後に火星へと到着したESAの探査車によって回収される予定です。

今月は火星探査機の打ち上げが相次いでおり、7月20日にはアラブ首長国連邦(UAE)の「Hope」(アラビア語では「アル・アマル」、日本語で「希望」を意味する)が、7月23日には中国の「天問1号」が、それぞれ打ち上げに成功しています。いよいよ2日後となったパーセベランスの打ち上げが成功すれば、来年は3機の探査機が火星に到着することになります。

パーセベランスを搭載したULAのアトラスVロケット(Credit: ULA)

 

Image Credit: NASA/JPL-Caltech
Source: Mars 2020 Perseverance Rover – NASA Mars / NASA blogs
文/松村武宏

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