写真で振り返るスペースX「クルー・ドラゴン」初の有人ミッション
打ち上げを待つクルー・ドラゴン(Credit: SpaceX)

日本時間2020年5月31日に打ち上げられたの新型宇宙船「クルー・ドラゴン」は、アメリカの宇宙船としては9年ぶり、企業が開発した宇宙船としては初の有人飛行にあたることから注目を集めました。宇宙開発の歴史に刻まれる打ち上げからISSへのドッキングに至るさまざまな場面が、NASAやによって撮影・公開されています。

■クルー・ドラゴンを載せたファルコン9ロケットの打ち上げ

打ち上げの瞬間(Credit: NASA/Joel Kowsky)
上昇するロケット(Credit: SpaceX)
ドローン船に降り立つロケットの1段目(Credit: SpaceX)

当初は日本時間5月28日5時33分に予定されていたクルー・ドラゴンの有人テスト飛行ミッション「Demo-2」の打ち上げは、悪天候により一度延期。ロバート・ベンケンダグラス・ハーリーの2名を乗せたクルー・ドラゴンは、3日後の日本時間5月31日4時22分の第39A発射台からファルコン9ロケットによって打ち上げられました。およそ12分後にはファルコン9の2段目からクルー・ドラゴンが切り離されて軌道への投入に成功した他に、1段目の回収にも成功しています。

■19時間後にISSへ到着、5名の宇宙飛行士が合流

ISSに接近するクルー・ドラゴン。トルコ上空にて(Credit: NASA)
ドッキング目前のクルー・ドラゴン(Credit: NASA)

打ち上げから19時間後となる同日23時16分、クルー・ドラゴンはISSに到着。ISSにはNASAのクリストファー・キャシディ、ロシアのアナトーリ・イヴァニシンおよびイヴァン・ヴァグナー宇宙飛行士の3名が、第63次長期滞在クルーとして4月9日に到着していました。現在はベンケン宇宙飛行士とハーリー宇宙飛行士の2名が合流し、ISSは5名の宇宙飛行士によって運用されています。

ISSで合流した5名の宇宙飛行士。手前:ベンケン宇宙飛行士(左)、ハーリー宇宙飛行士(右)。奥:イヴァニシン宇宙飛行士(左)、キャシディ宇宙飛行士(中央)、ヴァグナー宇宙飛行士(右)(Credit: NASA)

ベンケン宇宙飛行士とハーリー宇宙飛行士はこのあと3か月ほどISSに滞在し、帰還時には再びクルー・ドラゴンに乗り込んで大西洋上に着水する予定です。クルー・ドラゴンによる大気圏再突入は昨年3月の無人テスト飛行ミッション「Demo-1」において実施されていますが、有人での大気圏再突入は今回のミッションが初めてとなります。

また、今回のDemo-2ミッションに続くクルー・ドラゴンの運用初号機には、ミッションスペシャリストとして宇宙航空研究開発機構(JAXA)の野口聡一宇宙飛行士の搭乗が決定しています。

 

Image Credit: NASA
Source: NASA(Flickr) / GSFC / NASA Blogs / SpaceX(Flickr)
文/松村武宏