宇宙航空研究開発機構(JAXA)が長野県佐久市に建設し、運用開始に向けて準備が進められている「美笹(みささ)深宇宙探査用地上局」(以下「美笹局」)。昨年12月には小惑星探査機「はやぶさ2」から送信されたX帯(8GHz帯)の電波を受信していましたが、今度は別の周波数帯であるKa帯(32GHz帯)の電波を受信することにも成功しました。

■2つの周波数帯での受信に成功、残るは送信の確認のみ

「はやぶさ2」を追尾する美笹局のアンテナ(Credit: JAXA)

2020年4月8日午前3時15分頃、美笹局では地球に向けて飛行を続けている「はやぶさ2」から送信されたKa帯の電波を受信することに成功しました。日本で深宇宙探査機からのKa帯電波を受信したのは、美笹局が初めてです。

初代「はやぶさ」でも用いられていたX帯に比べてKa帯の電波は周波数が高く、より多くの情報をやりとりできるメリットがあります。「はやぶさ2」はX帯に加えてこのKa帯電波の送信にも対応していましたが、これまでは日本国内に深宇宙探査機からのKa帯電波を受信できるアンテナが存在しなかったために、「はやぶさ2」では海外のアンテナ経由でKa帯の電波による信号を受信しながらミッションを行ってきました。今回美笹局がKa帯電波の受信に成功したことで、今後のミッションではX帯と同じように探査機からのKa帯電波を国内で受信することが可能となります。

昨年12月のX帯と今回のKa帯、2つの周波数帯の電波をどちらも受信することに成功した美笹局では、今後はX帯(7GHz帯)を用いた地上から探査機への電波の送信機能を確認することが計画されています。美笹局の運用は今からちょうど1年後となる2021年4月から本格的に開始される予定です。

「はやぶさ2」各部の名称。探査機上面に2つある円形のアンテナのうち、向かって右がKa帯用、左がX帯用(Credit: JAXA)

 

Image Credit: JAXA
Source: JAXA
文/松村武宏

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