2024年の有人月面探査再開を目指すNASAのアルテミス計画。今年実施される予定の無人テストミッション「アルテミス1」に使われるロケット「SLS(スペース・ローンチ・システム)」のコア・ステージが、燃焼試験に向けた移送の準備に入りました。

■アポロ計画でも使われた試験設備で燃焼試験を実施

ジョン・C・ステニス宇宙センターへの移送準備が始まったSLSコア・ステージ(Credit: NASA/Jude Guidry)

ルイジアナ州ニューオーリンズのミシュー組立工場において組み立てが進められていたSLSは、昨年11月に4基のRS-25エンジンの取り付け作業が完了。12月にはNASAのブライデンスタイン長官によって報道関係者らにお披露目されています。年が明けた1月1日には、完成したコア・ステージをジョン・C・ステニス宇宙センター(ミシシッピ州)に向けて移送するための準備が始まりました。

ジョン・C・ステニス宇宙センターでは「グリーン・ラン」と呼ばれる燃焼試験が実施されます。実際の打ち上げ時と同じ8分間に渡り実施されるこの試験は、コア・ステージを構成するエンジン、燃料/酸化剤タンク、誘導制御システムなどが初めて一体となって動作する重要なもので、アルテミス計画を支えるコア・ステージが予定通りに機能するかどうかが確認されます。

ジョン・C・ステニス宇宙センターのB-2テストスタンド(構造物の右側)。B-1テストスタンド(同左側)と同じ構造物に併設されている(Credit: NASA)

グリーン・ラン試験はジョン・C・ステニス宇宙センターのB-2テストスタンドで実施されます。この試験設備はアポロ計画で使われた「サターンV」ロケットの第1段(S-IC)や、ULA(ユナイテッド・ローンチ・アライアンス)が運用する「デルタIV」ロケットの燃焼試験などにも使われたもので、SLSコア・ステージの試験に向けて改修が施されました。

グリーン・ラン試験に臨むコア・ステージは、現在オハイオ州のプラムブルック基地で試験を受けている新型宇宙船「オリオン」による無人テストミッション「アルテミス1」に使用されます。アルテミス1はいよいよ今年、2020年に実施される予定です。

テストスタンドから降ろされるサターンVの第1段「S-IC」。1968年8月28日撮影(Credit: NASA/SSC)

関連:NASA長官、組み立てを終えたSLSのコア・ステージをお披露目

 

Image Credit: NASA
Source: NASA
文/松村武宏

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