スペースX「クルー・ドラゴン」無人打ち上げ成功 米有人宇宙飛行復帰に道筋

米スペースXは2019年3月2日(現地時間)、「ファルコン9」ロケットにより有人宇宙船「クルー・ドラゴン」を打ち上げました。ロケットの打ち上げと宇宙船の軌道投入は成功しています。

フロリダのケネディ宇宙センターから打ち上げられたクルー・ドラゴンは、7人乗りの宇宙船。今回は無人での打ち上げとなりましたが、内部にはダミー人形「リプリー」と「ゼロGセンサー」と名付けられた人形が搭乗しています。そして「デモ1」のミッションでは、国際宇宙ステーション(ISS)へのドッキングと分離、地球への帰還を実証するのです。

そしてデモ1に続く緊急脱出装置の実験が4月か6月に成功した後、クルー・ドラゴンは2人の宇宙飛行士を搭乗させた有人打ち上げテスト「デモ2」を7月に実施します。アメリカは2011年7月のスペースシャトルの打ち上げ以来、宇宙飛行士の輸送をロシアの「ソユーズ」に委託しており、自国での宇宙飛行士の打ち上げ手段の開発が急務となっていました。またクルー・ドラゴンは複数回の使用が可能ですが、NASAは宇宙飛行士の打ち上げには新品の宇宙船とロケットの使用を求めています。

クルー・ドラゴンは3月3日にISSへとドッキングし、内部の約180kgの物資を運搬。そして、3月8日にISSから切り離され、大西洋に着水する予定です。また、ボーイングの有人宇宙船「CT-100スターライナー」も、4月に無人テスト打ち上げ、5月に脱出装置のテスト打ち上げ、8月に有人テスト打ち上げを予定しています。

Image Credit: スペースX
■SpaceX Launches Historic Crew Dragon Test Flight to Space Station for NASA
https://www.space.com/spacex-launches-crew-dragon-test-flight.html
文/塚本直樹