米ボーイングの宇宙船「スターライナー」のテスト打ち上げが行われましたが、国際宇宙ステーション(ISS)へ到達することができませんでした。

今回の打ち上げは軌道試験飛行(Orbital Flight Test = OFT)と呼ばれ、宇宙飛行士を乗せた有人飛行試験に備える重要なテストとなります。打ち上げはフロリダ州にあるケープカナベラル空軍基地から12月20日夜8時36分(日本時間)に予定通り行われました。打ち上げからおよそ15分後、スターライナーはISSに向かう軌道に入るためのエンジン噴射(軌道投入噴射)を予定していましたが、何らかの不具合により噴射は行われませんでした。その後、スターライナーは地球を周回する安定軌道に入っています。

現在のところスターライナーに搭載されているミッション経過時間を測定するシステムに問題があったと見られ、結果として姿勢制御用の小型エンジンが余分な燃料を使ってしまったとされていますが、根本原因はまだわかっていません。地上の管制室では軌道投入噴射を行うようにスターライナーへ指令を出しましたが、ちょうどスターライナーが「TDRS」(Tracking and Data Relay Satellites、地上と人工衛星の通信機能を提供する衛星システム)の間で指令を受けられない場所にいたと見られており、タイミングを逃してしまいました。もしスターライナーに宇宙飛行士が搭乗していたら、手動操作で何らかの対応ができたかもしれないとのことです。

しかし、スターライナーに最初に搭乗する予定の宇宙飛行士たちは「安全上の懸念はない」とコメントしており、軌道投入以外の多くのテスト項目はクリアしているため、広い意味では成功とも言えます。スターライナーは12月22日、早ければ夜9時30分頃(日本時間)にニューメキシコ州ホワイトサンズに帰還する予定です。

 

関連:ボーイングの宇宙船「スターライナー」、20日にテスト打ち上げ

Image: NASA Live
Source: Space.com
文/北越康敬

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