NASA、火星でヘリコプター飛行実験 「Mars 2020」ミッションにて


 
NASAは自律飛行ヘリコプター(ドローン)による火星での飛行実験を行うと発表しました。
 
そもそも、NASAは2020年7月に「アトラスV」ロケットによる火星探査車『Mars 2020』の打ち上げを予定しています。そしてこの自律飛行ヘリコプターはMars 2020のミッションとして同時に打ち上げられ、火星にて30日の飛行実験を実施します。内容としては最大で90秒間、数百メートル移動したり、3メートルの高さで30秒間ホバー飛行するそうです。
 
2013年にNASAのJPL(ジェット推進研究所)で始まったこのヘリコプターのプロジェクトでは、1.8kgに満たないソフトボール大のサイズのボディにソーラーセルを搭載した機体が利用されます。そして2つのブレードを通常のヘリコプターの約10倍もの速度(3000rpm)で回転させ、火星の薄い大気を飛行するのです。
 
火星の大気は地球のわずか1%と極めて薄く、地球での高度3万メートル程度に相当します。この環境で飛行するため、ヘリコプターの機体はできるだけ軽量に設計されています。そしてこの実験が成功すれば、火星探査に強力な選択肢がくわわることとなるのです。
 
Image Credit: NASA
■Yes, NASA Is Actually Sending a Helicopter to Mars: Here's What It Will Do
https://www.space.com/40570-nasa-sending-helicopter-to-mars.html
(文/塚本直樹)