スペースX社が2020年に予定している、火星の探査ミッション。これには同社の宇宙船「レッド・ドラゴン」が利用される予定です。一方スペースX社でCEOを務めるイーロン・マスク氏はISS R&D 2017のカンファレンスにて、火星着陸に利用する「レッド・ドラゴン」の利用中止を示唆しています。
このレッド・ドラゴンによる火星探査では、宇宙船が「SuperDraco」のエンジン出力によりゆっくりと火星に降下する「Propulsive Landing」という技術が利用される計画でした。しかし、スペースXはこの着陸技術の開発を今後は完遂しません。マスク氏は「ずっといい方法を思いついたんだ。それを次世代のロケットと宇宙船で試すよ」とカンファレンスにて明かし、後のツイートで「Powerd Landing(Propulsive Landing)はより大きな宇宙船で試すつもりだ」としています。
現在スペースXの「ドラゴン補給船」はパラシュートで落下する方式を採用しており、現在開発が進められている有人版の「ドラゴン2」ではこの「Propulsive Landing」と着陸用の脚が装備される予定……でしたが、マスク氏によればこれも計画を変更し、ドラゴン2でもパラシュートを利用することになります。
この変更について、マスク氏は安全面での実現性の難しさを語っています。ただしドラゴン2は一応エンジンを利用した着陸も可能な設計となっており、今後は計画が変更されて「Propulsive Landing」が復活するかもしれません。
Image Credit: スペースX
■Elon Musk suggests SpaceX is scrapping its plans to land Dragon capsules on Mars
https://www.theverge.com/2017/7/19/15999384/elon-musk-spacex-dragon-capsule-mars-mission
■SpaceX drops plans for powered Dragon landings
http://spacenews.com/spacex-drops-plans-for-powered-dragon-landings/
Last Updated on 2022/06/16