
インターステラテクノロジズ株式会社(以下、IST)は、2017年7月29日に北海道大樹町から観測ロケット「MOMO」初号機を打ち上げる計画を発表しました。このロケットは全長8.5m、直径50cm、重量1150kg、推力1.2トンの液体ロケットで、100kmを超える高度に到達可能なサウンディングロケットに分類されます。MOMOは最大20kgのペイロードを搭載し、微小重力環境での実験や高層大気観測、宇宙観測、さらにはエンターテインメント用途まで幅広い分野での利用が期待されています。特に、高頻度かつ低コストで柔軟な打ち上げを可能にする小型ロケットとしての利便性は、従来の大型ロケットの制約を補完するものです。

ISTの目標は、将来的には人工衛星打ち上げ市場にも参入し、小型衛星の多様なニーズに応えることです。従来の大型ロケットではスケジュールの柔軟性が低く、小型衛星が優先順位を得ることは難しいのが現状です。一方、MOMOのような小型ロケットは、民間の技術革新を背景にコスト削減や打ち上げの迅速化が可能であり、特に小規模プロジェクトや研究機関にとって理想的な選択肢となります。
日本国内では、ISTが先駆者的役割を果たしながら、海外のスペースX社をはじめとする民間宇宙開発企業との競争に挑んでいます。この挑戦は、宇宙開発分野における日本の技術力と存在感を世界に示す重要な一歩となるでしょう。特に国産技術による宇宙進出の試みは、日本の民間宇宙産業の新たな可能性を切り拓くものとして注目されています。
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- Image Credit: インターステラテクノロジズ株式会社, DMM.com
- インターステラテクノロジズ(公式サイト)
編集/sorae編集部