宇宙開発企業のスペースX社を率いるイーロン・マスク氏は、新型ロケット「ファルコン・ヘビー」打ち上げを今年夏の遅い時期に行うと発表しました。また、ロケット第二段の回収についても計画していることを明かしています。
ファルコン・ヘビーはスペースXのロケット「ファルコン9」拡張し、同ロケットの1段目を2本追加した構成。さらなる大質量のペイロードを達成する予定です。ファルコン9は先月の打ち上げにてロケット第1段の再利用と回収に成功しており、ファルコン・ヘビーのテスト打ち上げでは2本の再利用ブースター(1段目)を横に設置して利用する予定です。
なお、ファルコン・ヘビーはLEO(地球低軌道)に54トン、GEO(静止トランスファ軌道)に22トン、そして火星へと13.6トンの打ち上げ能力を持ちます。当初は2013年に初打ち上げを行う予定でしたが、計画は遅延。しかしロケットの追加ハードウェアや中央ブースターの改良など打ち上げに必要な開発を「大部分は終えている」としているのです。
またこのテスト打ち上げでロケット第2段の回収に成功すれば、ロケットのほぼ全体の再利用が可能になります。マスク氏はツイートにて「成功の可能性は低い」と語っていますが、こちらが成功すればロケット打ち上げのさらなる低コスト化に役立つことが期待できます。
なお、ファルコン9のテスト打ち上げでは中央のブースターがドローン船に、そして2本の横のブースターがケープ・カナベラル空軍基地の施設に着陸する予定です。3本のブースターが空から地上に降り立つ姿、早く見てみたいものですね。
Image Credit: SpaceX
■SpaceX to launch Falcon Heavy with two “flight-proven” boosters this year -
http://spacenews.com/spacex-to-launch-falcon-heavy-with-two-flight-proven-boosters-this-year/
■SpaceX's Falcon Heavy Test This Summer Just Got Even More Exciting
https://www.inverse.com/article/29815-spacex-falcon-heavy-test-summer-upper-stage-elon-musk
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