スペースX、火星探査を2020年に延期へ 宇宙飛行士輸送やファルコン・ヘビーに注力

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ようやくファルコン9による打ち上げが軌道に乗りだしたスペースX社ですが、すべてがうまくいっているわけではないようです。同社社長のGwynne Shotwell氏は2月17日、スペースX初となる火星探査ミッションが2020年へと延期されたことを認めました。
 
もともと2018年を予定した同社の火星探査ミッションですが、Shotwell氏は「我々はよりクルー(乗務員)ミッションやファルコン・ヘビーに集中すべきだ」と発言。2018年後半に予定されてるISS(国際宇宙ステーション)への商業乗員輸送開発(CCDev)への注力を表明しました。また打ち上げ能力を向上させた「ファルコン・ヘビー」も今年の夏に初打ち上げが行われる予定です。
 
スペースXによる火星探査には、「レッド・ドラゴン」宇宙船が利用されます。また火星は大気が薄いことから減速が難しいなど、技術的なハードルも存在します。「レッド・ドラゴン」宇宙船は減速に「supersonic retro-propulsion」を利用する予定です。
 
なお、2020年といえばNASAによる新たな火星探査ミッション「Mars 2020」や欧露による「エクソマーズ」の探査車、それにアラブ首長国連邦による火星探査機「アル・アマル」、それに中国による火星探査機の打ち上げも予定されています。近い将来、火星は宇宙開発の場としてとても賑やかになりそうです。
 
Image Credit: Space X
■SpaceX is pushing back the target launch date for its first Mars mission
http://www.theverge.com/2017/2/17/14652026/spacex-red-dragon-spacecraft-mars-mission-2020
■SpaceX Pushes Target Date for First Mars Mission to 2020
http://fortune.com/2017/02/18/spacex-mars-mission-2020/

(塚本直樹)

最終更新日:2022/11/16