以前、ロシアはソユーズによるロシア人宇宙飛行士の打ち上げ人数の一時削減を発表していました。そしてそれにあわせるように、NASAはボーイングを通じてソユーズ宇宙船の宇宙飛行士打ち上げのためのシートを追加購入する計画があることを、SpaceNewsなどが報じています。
報道によれば、NASAは2017年の秋と2018年の春に2席、そして2019年にオプションとして3席の座席購入を計画しています。これは宇宙飛行士をISS(国際宇宙ステーション)へと運搬するためのもので、ボーイングはその購入権をすでに獲得しているのです。
この追加座席は、ロシアが2018年に予定されている実験棟の打ち上げまで宇宙飛行士の打ち上げ人数を減らすために発生しました。さらにスペースXとボーイングによる商業宇宙飛行士輸送機の開発(CCDev)が思ったよりも遅れていることも、このような動きを後押ししています。
スペースXは「ドラゴン2」による有人初飛行を2018年の5月に、そしてボーイングも「CST-100 スターライナー」計画を2018年の8月以降に延期しており、NASAとしては宇宙飛行士をISSへと届ける手段が追加で必要になりそうな情勢なのです。
なお、ソユーズの座席は年々高額化しています。宇宙開発では予定どおりに事が進むことはなかなかないのですが、NASAは手痛い追加支出を強いられることになるかもしれません。
Image Credit: NASA/Victor Zelentsov
■NASA considering Boeing offer for additional Soyuz seats
http://spacenews.com/nasa-considering-boeing-offer-for-additional-soyuz-seats/
■As leadership departs, NASA quietly moves to buy more Soyuz seats
http://arstechnica.com/science/2017/01/nasa-formally-seeks-option-to-buy-additional-soyuz-seats-for-2019/
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