20170113nx
 
昨年9月に起きた、悪夢のようなロケットの爆発事故から約4ヶ月。アメリカの宇宙開発企業のスペースXが、とうとう公式声明にて1月8日にファルコン9ロケットの打ち上げを再開する予定だと発表しました!
 
そもそも昨年9月の爆発事故ですが、これはロケットを発射台に設置して推進剤を注入したりエンジンを数秒間点火する「スタティック・ファイア・テスト」の最中に起きました。そしてスペースXは事故調査の途中段階から、その爆発原因がロケット第2段の液体酸素タンク内にある「液体ヘリウムを貯蔵するタンク(COPV)」にあることを指摘していたのです。
 
ファルコン9に搭載された3つの液体ヘリウム貯蔵タンクは、内壁のアルミニウムとそれを覆うような炭素複合素材からでできています。そしてそのアルミニウムに歪みが発生し、炭素複合素材との間に隙間が発生して液体酸素が侵入。そしてそこに圧力がかかったことで発火現象が起きたというのです。また、液体ヘリウム貯蔵タンクの超低温が一定量の液体酸素をおそらく凍らせたことも、状況を悪化させた可能性があると明かしています。
 
次回のファルコン9の打ち上げでは、液体ヘリウム貯蔵タンクそのものは変更せずに注入手順に変更がくわえられます。具体的にはもう少し温度を上げた液体ヘリウムを利用したり、以前の液体ヘリウムの注入方法を採用するとのこと。さらに、将来的には液体ヘリウム貯蔵タンクのデザインも変更する予定です。
 
1月8日以降に予定されているファルコン9では、イリジウム・コミュニケーションズの10個の人工衛星をカリフォルニアのヴァンデンバーグ空軍基地から打ち上げる予定です。これについて、イリジウム・コミュニケーションズも1月8日の打ち上げ予定を祝福する声明を送っています。そしてFAA(連邦航空局)の許可が下りれば、日程が正式に決定することになります。
 
宇宙開発に最も意欲的な民間企業の1つであるスペースXがロケット打ち上げを再開すれば、また世界の宇宙開発市場は大いに活気づくことになるでしょう。少し前まではしょっちゅう目にしていたファルコン9ロケットが宇宙へと打ち上がる姿を、また早く見たいものです。
 
Image Credit: Space X
■SpaceX plans Jan. 8 return to flight after completing failure investigation
http://spacenews.com/spacex-plans-jan-8-return-to-flight-after-completing-failure-investigation/
■SpaceX eyes January 8th return to flight after finishing up accident investigation
http://www.theverge.com/2017/1/2/14142064/spacex-flight-launch-date-falcon-9-explosion-investigation

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