中国の地球観測衛星「高景一号」打ち上げ トラブル後に軌道修正

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昨年12月末に長征2Dによって打ち上げられた、中国の民間企業による2つの地球観測衛星「高景一号(SuperView 1)」。当初は予定軌道よりも低い位置に投入され心配されていましたが、現在軌道を上げておりSpaceNewによればミッションを継続できる見通しとなっています。
 
太原衛星発射センターより打ち上げられた高景一号は、もともと高度530kmの太陽同期軌道に投入される予定でした。しかし報告によれば、打ち上げ当初は214〜524kmの楕円軌道に投入されていたのです。
 
しかし高景一号はじょじょに高度を上げ、12月30日の米空軍の発表によれば両衛星の高度はSuperView 1 01が352〜526km、SuperView 1 02が369〜526kmへと移行しています。ただし、このような移動は衛星の稼働期間に影響を及ぼすものと見られています。一方、同時に打ち上げられた推進システムをもたないと予測される学生による小型人工衛星「BY70-1」の高度は214~518kmとなっています。
 
なお今回の打ち上げに関して、人工衛星の所有企業であるSiwei Star Co. Ltdや中国当局はコメントを出していません。SpaceNewsに掲載された打ち上げ観測者の報告によれば、ロケットの第二段の分離や第二段エンジンの停止に数秒の遅れがあった可能性も指摘されています。
 
高景一号は中国初の民間による高解像度な光学衛星で、その分解能は0.5mとなっています。さらに2017年に打ち上げられるもう2つの人工衛星と共同で、地球の観測を行う予定です。またSiwei Star Co. Ltdは2022年までに、16個の人工衛星による衛星コンステレーションを構築する計画もあります。
 
Image Credit: China Aerospace Science and Technology Corporation
■Chinese satellites raising orbits after launch anomaly
http://spacenews.com/chinese-satellites-raising-orbits-after-launch-anomaly/
■China's New Earth-Observation Satellites in Unexpected Orbits: Report
http://www.space.com/35173-china-earth-observation-satellites-in-wrong-orbit.html

最終更新日:2022/11/16