1970年4月24日に中国初の人工衛星「東方紅一号」が打ち上げに成功したことを記念して、中国宇宙記念日が今年から制定されました。記念日の前後には様々な宇宙関連イベントが開かれましたが、そうしたお祭り騒ぎの中で、中国の火星探査計画が正式認可されたことが発表されました。
あれから4か月、その間にも中国の火星探査に関する情報は時折報じられていましたが、月探査・宇宙工程中心がこのほど、宇宙探査計画名及びミッションロゴの公募に関する記者会見を開きました。その席上で、中国の火星探査機(軌道周回機、着陸機、探査車)のCGデザインも公開されました。
中国は2020年を目標に、火星周回軌道到着、着陸、火星地表探査を一気に成功させるという大胆な探査計画を進めています。これまでにも探査機のエンジニアリングモデル(実際に火星まで航行するフライトモデルを開発する前の、各機能の性能確認などを行うモデル)が航空宇宙関連の見本市などで展示されていたことはありますが、軌道周回機、着陸機、探査車のデザインがセットで公開されたのは今回が初めてとなります。
中国は過去にも、蛍火一号という火星周回機を開発し、ロシアの探査機フォボス・グルントに相乗りする形で火星探査を進めた経緯があります。フォボス・グルントは2011年11月、打ち上げに失敗し、中国の火星探査計画も再出発を余儀なくされていました。今回はすべてを中国独自の技術で進める計画で、すでに月探査機「嫦娥五号」の打上げが決定している新開発の長征五号ロケットを使用するとみられています。
ちなみに、ミッション名及びロゴ公募活動には、中国科学院や中国航天科技など宇宙関連機関の他、新華網、騰訊などの大手メディア、IT企業などが参加。海外からもスイスの高級時計メーカーであるタグ・ホイヤーが参加し、ミッションロゴの応募第一号になったという事です。
Image Credit: CLEP
最終更新日:2024/09/02