2014年にチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星に「ロゼッタ探査機」とともに到着し、着陸した着陸船「フィラエ」。世界初の彗星着陸を成し遂げた同着陸船ですが、このたびロゼッタ探査機に搭載された交信用システム(ESS)のスイッチを切ることが決定されました。
現在ロゼッタ探査機はチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星を周回し、フィラエとの通信を担当しています。しかし今後のミッションのためにも、交信用システムを今オフにする必要があるのです。なお、ロゼッタ探査機も今年の9月にミッションを終える予定です。
フィラエは着陸後には写真の送信などを行ったものの、その後に休眠モードに移行。そして2015年に一度復旧して散発的にデータを送信した後、ふたたび沈黙状態となってしまったのです。なお万が一フィラエが復旧した場合に備えて、いままでロゼッタ探査機の交信用システムのスイッチはオンにされていました。
なお、フィラエがこのような状態に陥った理由は着陸時の状態にあったと推測されています。フィラエは着陸時に機体を固定する「銛」の発射に失敗し、数度バウンドした後影となっているエリアに着陸してしまいました。そのため十分に発電をすることができず、着陸からわずか2日で休眠モードへと入ってしまったのです。
現在、フィラエは復旧の見込みがなくなったことが確実となっています。さらにチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星は太陽から3億2000万マイルの場所に位置しており、ロゼッタ探査機の発電力も低下しています。今後残った時間とエネルギーでロゼッタ探査機がどのような発見ができるのか、注目されますね。
Image Credit: ESA
■Let's all say goodbye to the Philae comet lander, which we'll never hear from again
http://www.theverge.com/2016/7/26/12285024/philae-comet-lander-goodbye-european-space-agency-rosetta
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