現在火星を元気に観測している探査車「マーズ・サイエンス・ラボラトリー(愛称:キュリオシティ)」の搭載装置として、レーザーを照射して岩石の成分を調べる「ChemCam」があります。そしてNASAは7月21日、キュリオシティが自動でレーザーを照射できるようになったと発表しました。
ChemCamは岩石や砂にレーザーを照射し、その蒸発成分から対象物の組成を調べることができます。これまではすべてのターゲットをNASAが選んでいたのですが、今後キュリオシティは自動でターゲットを選び出し、レーザーを照射して観測を行うことになるのです。ただしすべての場合において自動照射を行うわけではなく、多くの場合はNASAが対象物を選ぶとしています。
なおChemCamはキュリオシティのてっぺんに備え付けられており、7mの範囲でレーザーを照射可能です。
今回キュリオシティにインストールされたソフトウェアはAEGIS(Autonomous Exploration for Gathering Increased Science)と呼ばれています。そしてこのAEGISは調査する岩石を選ぶために、岩の大きさや明るさといった基準を利用します。この基準は周囲の環境やNASAの目的によって変更することもできます。
キュリオシティは火星で生命の痕跡を探すため、2012年にゲール・クレーターに降り立ちました。そしてその探査過程において火星に、川や湖のような構造があったことを解き明かしています。
このように着実に成果を上げてきたキュリオシティですが、2021年には新型機となる探査車「Mars 2020」が探査を開始する予定です。はたして人類は古くから宇宙人がいるとされてきた隣の惑星で、生命の痕跡を見つけ出すことができるのでしょうか?
Image Credit: NASA
■Pew! Pew! Pew! Mars Rover Curiosity Can Now Fire Laser On Its Own
http://www.space.com/33506-mars-rover-curiosity-fires-laser-by-itself.html