スペースX社が4月8日に打ち上げ、ISSへのドッキングにも成功していた「ビゲロー膨張式拡張モジュール『BEAM』」。宇宙空間で空気を注入して膨らませ、広い活動領域を得ようという野心的な計画です。そしてその膨張試験が5月26日に行われたのですが…残念ながら、展開には失敗してしまいました。
ビゲロー膨張式拡張モジュール『BEAM』はビゲロー・エアロスペースが開発した拡張式モジュールで、伸縮性と強靭性を兼ね備えた素材からできています。また打ち上げ時は小さくたたまれていますが、空気を入れた膨張後の大きさは長さ4m、直径3.23mにまで達します。このモジュールはまずはISSでの活動領域として、そして将来的には火星への有人探査や宇宙ホテルなどへの応用も期待されています。
今回の膨張試験では、BEAMの制御ストラップの解除には成功。そしてNASAの管制官からISSへ、BEAMへの空気の送り込みが指示されました。しかし、その後BEAMはうまく展開されなかったということです。
NASAの地上管制官のJessica Meir氏は、「我々は全てのパラメーターを調査し、失敗の原因を調査しています」と語っています。今のところ失敗の原因ははっきりしていませんが、安全性が確認されれば明日にも再度膨張試験を行う可能性があるとのことです。
空気が抜けていたのか、それともモジュールの素材自体に問題があって膨らまなかったのか…。明日以降の再度の膨張試験では成功するといいですね!
Image Credit: NASA
■NASA's attempt to inflate expandable habitat fails
http://www.theverge.com/2016/5/26/11785708/nasa-inflatable-habitat-international-space-station-beam
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