地球上空の軌道上を周回する「ハッブル宇宙望遠鏡」はご存知の方も多いと思いますが、そのハッブルも稼働開始から26年目を迎え、そろそろ次世代宇宙望遠鏡を待つ声も増えてきました。それに合わせ、NASAのゴダード宇宙飛行センターでは次世代機となる「ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡」の組立が進んでいます。今回公開されたのはその黄金の主鏡ですが、なんともゴージャスですね!
ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の特徴はさまざまですが、やはり高精度な天体観測を可能にする6.5メートルの巨大な主鏡こそ特筆すべき点でしょう。このハッブル宇宙望遠鏡の主鏡(直径2.4メートル)よりも遥かに大きな主鏡は、18枚の六角形の鏡を組み合わせて作ります。鏡の素材はベリリウムに金(ゴールド)を蒸着させてあり、同じく金を蒸着させた副鏡に光を反射します。
それではジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡で何ができるのか…ですが、主に紫外線や可視光領域を観測していたハッブル宇宙望遠鏡とは異なり、ジェイムズ・ウェッブは赤外線を観測します。実は宇宙の遠い地点からやってくる光は赤方偏移という現象で波長が長く変化するため、赤外線を観測すると宇宙の始まりの現象が観測できるとされているのです。
また、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡はハッブルよりもずっと遠い、約150万キロ先のラグランジュ点L2に設置されます。ラグランジュ点とは重力的に平衡な地点で、L2は地球から見て太陽と反対側に位置します。これにより、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は太陽からの影響をできるだけ抑えることができるのです。
ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の打ち上げは2018年ごろ。同宇宙望遠鏡がこれまで私たちが知らなかった宇宙の姿を解き明かしてくれることを期待しましょう!
Image Credit: NASA
■Golden JWST mirror section unveiled in all its glory
http://www.gizmag.com/james-webb-space-telescope-mirror-revealed/43060/
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