ケプラー宇宙望遠鏡が「非常モード」に。1億2000万キロ彼方でトラブルか

20160411nke
 
NASAは4月8日(現地時間)、ケプラー宇宙望遠鏡が「非常(エマージェンシー)モード」に入ったことを明らかにしました。ケプラー宇宙望遠鏡は2013年にも故障を起こしており、今回は新たな銀河の観測を始める前のトラブルでした。現在、NASAはケプラー宇宙望遠鏡を通常(ノーマル)モードに戻すべく努力しています。
 
ケプラー宇宙望遠鏡は2009年に打ち上げられた探査機で、太陽系外惑星を探すミッションにあたってきました。内部には140cmの反射鏡とCCDカメラを内蔵しており、これまで数多くの恒星を観測してきました。また2013年のトラブルの際には利用可能なリアクションホイールとスラスタで観測再開を試み、2014年からはまた観測を続けてきました。
 
ケプラー宇宙望遠鏡は非常モードでは十分な操作が行えず、またより多くの燃料を消費してしまいます。現在ケプラー宇宙望遠鏡は地球から1億2000万キロの場所に位置しており、通信には光速でも行き帰りで13分もかかってしまいます。これらの状況が、同宇宙望遠鏡の復帰を難しくしています。
 
ケプラー宇宙望遠鏡は2012年には主要なミッションを終え、その後はNASAの努力によってミッションを続けてきました。一方日本が打ち上げ、現在通信不能に陥っているX線天文衛星「ひとみ」は外部からの観測は行なわれているものの、現時点では復旧の目処は立っていません。探査機や衛星がトラブルで一度通信不能になり、その後に復帰した例は過去にもいくつかあるのでそれに期待したいのですが…。JAXAの「あきらめない」という声明に希望を繋ぎたいと思います。
 
Image Credit: NASA
■NASA’s Kepler spacecraft enters emergency mode 75 million miles from Earth
http://www.theverge.com/2016/4/8/11395796/nasa-kepler-spacecraft-mission-emergency-mode