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宇宙航空研究開発機構(JAXA)は4月1日、X線天文衛星「ひとみ」の状況について報告を行った。この中で、JAXAはアメリカ国防総省戦略軍統合宇宙運用センター(JSpOC)が発見した6個の物体のうち2個の観測に成功し、そのどちらが「ひとみ」であるかは判定できていない、と発表した。

筆者はこの発表内容を整理して解説記事を作成中だったが、2日になって新たな情報がJSpOCからもたらされた。それは、今まで「ひとみ」だと考えられていた物体は「ひとみ」ではなく、「ひとみ」から分離した物体だということだ。

11個の物体から「ひとみ」を特定

JSpOCが観測していた物体は6個(5個という情報もあったが、「ひとみ」から5個が分離したという意味。JAXAがJSpOCに問い合わせて確認)あったが、今回の発表では11個に増えた。そして、これまで「ひとみ」本体とされていた物体は大きな破片と判断され、別の物体に「ひとみ」を意味する41337という物体番号が割り当て直された。

JSpOCはこの2つの物体を比較して片方を「ひとみ」本体と推定したが、その根拠は明らかではない。レーダーによる観測画像は軍事機密になっている可能性があるが、10cm程度の物体を観測できる性能があるとされているため、「ひとみ」の形状がわかる画像の撮影に成功しているのかもしれない。

朗報?悲報?

「ひとみ」が特定されたことは事態の分析のうえで前進だが、それが意味するところは朗報と悲報の2つの面がある。

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朗報は、「ひとみ」が数秒周期で回転しているというこれまでの推測は、「ひとみ」本体ではなく破片を観測していたのかもしれないということだ。「ひとみ」の姿勢が乱れていることまではわかっていたが、これほど激しく回転する理由は謎だった。今まで観測していたのが「ひとみ」本体ではなく破片の回転だったのであれば、実際にどれくらい回転しているのかはわからなくなった。

悲報は、破片であるはずの物体が「ひとみ」本体と誤認するほど大きいということだ。衛星は太陽光を反射して光るため、大きさと明るさは必ずしも比例しないので、破片の方が本体より明るく見えても本体より大きいとは限らないが、それなりの大きさはあると考えられる。

1日のJAXAの発表内容と併せた詳細なレポートは、追って掲載する。

 

Image Credit: 池下章裕

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