JAXAは3月27日にX線天文衛星「ひとみ」の通信途絶について会見をおこない、「ひとみの姿勢に異常が発生している可能性がある」との見解を発表しました。JAXAはこの状態を受け、対策本部を設置し衛星の復旧に取り組んでいます。
ひとみは2月17日に打ち上げられたX線天文衛星ですが、3月27日の午後4時40分の運用開始時刻に通信に失敗。現時点での同衛星の状態は把握できていません。ただ26日や27日に行なわれた通信から、「衛星の姿勢に問題が発生」していることが推測されています。
衛星はソーラーパネルを太陽の方角にむけて発電する必要があるのですが、データによると太陽電池パドルからの電力が想定よりも低く、また太陽の捕捉を示すシグナルも発信されていません。このことから、ひとみは太陽をうまく捉えていないため発電が十分に行なわれず、通信障害が発生している可能性が指摘されました。
現時点でひとみがどのような姿勢なのかは不明ですが、今後太陽の方角を向くことで発電が行われ「一時的に通信が復旧」することが期待されます。JAXAはこのタイミングを捉え、衛星を復旧したいとのことです。
なお、JAXAは明日の午前11時にも再度状況説明を行ないたいとしています。過去には小惑星探査機「はやぶさ」や金星探査機「あかつき」が一時通信が途絶したもののまた復旧した例もあるので、ひとみも無事に復旧してほしいものです。
Image Credit: NECOVIDEO VISUAL SOLUTIONS
■X線天文衛星「ひとみ」(ASTRO-H)の通信異常について
http://www.jaxa.jp/projects/sat/astro_h/index_j.html
最終更新日:2022/11/17