火の事故はもちろん地上でも怖いのですが、それが逃げ場のない宇宙空間となればより事態は深刻。そんな宇宙船で火がどのように振る舞うのかを安全に調べるため、NASAが「宇宙船での火災実験」を実施します。
この実験は、今週打ち上げられるOrbital ATKの宇宙船「シグナス」で行われます。シグナスはまず国際宇宙ステーションに食料や実験器具を届けるために、国際宇宙ステーションに向けて打ち上げられます。その後シグナスは必要な物資をISSに渡し、そして代わりに可燃性の物を積み込んでISSから離れ、そして火災実験が行なわれるのです。
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火災実験に使われる機材の内部はコンピューター部分と火災室に別れています。またシグナスはISSから4時間離れた場所で実験を行なうので、ISSのクルーたちには一切危険はないとのこと。温度や酸素濃度、二酸化炭素濃度などの火災の様子はシグナスに設置されたセンサーやカメラで記録され、後にNASAによってダウンロードされ検証されます。
このSpacecraft Fire Experiment-I (Saffire-I)と呼ばれる実験では、宇宙船内でどのように火が燃え広がるのかを観察することができます。これまでもNASAは宇宙船でごくごく小規模な火を用いた実験をおこなってきましたが、「我々は微重力下での火の振る舞いについてほとんど知識がない」と主張しています。しかしシグナスで燃やされる1メートル・4メートルの物体の火災実験からは、これまでとは比べ物にならないさまざまな経験が得られることでしょう。
なお、シグナスは火災試験の後、大気圏に突入し完全に燃え尽きることになります。火災実験で頑張ったシグナスが結局燃え尽きてしまうのは、ちょっとせつないかも…。
Image Credit: NASA
■NASA to light fire on orbiting space craft
http://www.gizmag.com/nasa-saffire-fire-spacecraft/42332/
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