インド宇宙研究機関(ISRO)は3月10日19時31分(日本時間)、航法衛星「IRNSS-1F」を搭載した「PSLV」ロケットを、サティシュ・ダワン宇宙センターから打ち上げた。
ロケットは順調に飛行し、打ち上げから19分34秒後に衛星を分離し、予定通りの軌道に投入した。
「IRNSS」はインド周辺地域を対象とした衛星測位システムで、今回打ち上げられたIRNSS-Fで6機目となる。インド周辺限定であるため、全地球測位システムではなく、また発信する信号は米国のGPSと互換性をもつように造られているなど、日本が構築を目指している準天頂衛星システムに近い。
IRNSS衛星は、静止軌道と傾斜地球同期軌道(静止軌道から軌道傾斜角を傾けた軌道)の、大きく2種類の軌道に投入される。今回打ち上げられたIRNSS-Fは静止軌道に投入される。
打ち上げ時の質量は1425kgで、設計寿命は12年が予定されている。
PSLVはISROが運用するロケットで、今回で34機目の打ち上げとなり、実運用に入ってからは31機目の打ち上げとなった。試験機と実運用機のそれぞれ1号機以外に失敗はなく、今回で30機連続成功という安定した打ち上げを続けている。
Image Credit: ISRO
■PSLV-C32 Successfully Launches India's Sixth Navigation Satellite IRNSS-1F - ISRO
http://www.isro.gov.in/update/10-mar-2016/pslv-c32-successfully-launches-indias-sixth-navigation-satellite-irnss-1f