米国のスペースX社は3月5日、通信衛星「SES-9」を打ち上げた「ファルコン9」ロケットの第1段機体の回収試験について、「ハード・ランディング(硬着陸)」となり、同社が事前に予告していた通り、成功しなかったと明らかにした。
ファルコン9は3月5日8時35分(日本時間)、米フロリダ州ケープ・カナヴェラル空軍ステーションから打ち上げられ、約31分後に衛星を分離し、打ち上げは成功した。
それと並行し、分離された第1段機体を海上の船に降ろし、回収する試験も行われたが、失敗に終わった。
ただ、今回は搭載していた衛星が重く、ロケットの能力を限界まで使って打ち上げる必要があったため、第1段機体を回収するのに必要なだけの十分な余裕がなく、スペースX社は事前に「成功する見込みはない」と明らかにしていた。
スペースX社はロケットの低コスト化を狙い、打ち上げたロケットを回収し、再使用するための開発や試験を数年前から続けている。昨年末にはロケットを発射台に程近い陸上に着陸させることに成功しているが、それと並行し、ロケットを陸まで戻せない場合に、飛行経路の下にある洋上に浮かべた船の上に着地させて回収する試験も行っている。
船での回収は昨年1月と4月、そして今年1月にも行われているが、船の上空までに降りてくることはできたものの、甲板に激突、あるいは着地後に転倒するなどして機体が大きく破壊されており、完全な成功には至っていない。
ただ、今月末に予定されている次回の打ち上げでは、衛星の質量や軌道から、今回よりは条件が良くなる見込みで、同社のイーロン・マスクCEOは「次回は良いチャンスがあるでしょう」と述べている。
Image Credit: SpaceX
■Elon MuskさんはTwitterを使っています: "Rocket landed hard on the droneship. Didn't expect this one to work (v hot reentry), but next flight has a good chance."
https://twitter.com/elonmusk/status/705917924972736512