米スペースX社は2月24日、通信衛星「SES-9」を搭載した「ファルコン9」ロケットの打ち上げを延期すると発表した。
新しい打ち上げ日は、米東部標準時2月25日18時46分(日本時間2月26日8時46)となっている。打ち上げ可能な時間帯は90分間が確保されており、延期の場合は翌日以降となる。
同社によると、延期の理由は、ロケットの性能をできる限り引き出すために、ロケットの酸化剤である液体酸素をより冷却することを選んだためとしている。
ファルコン9(ファルコン9フル・スラスト)は、推進剤の液体酸素とケロシンを通常よりさらに冷却し、密度を高めて搭載量を増やすことで、旧型機と比べて打ち上げ能力を向上させている。今回の打ち上げでは、なんらかの理由で計画していた温度まで冷却できなかったものと考えられる。
今回の打ち上げでは、通信衛星「SES-9」をスーパーシンクロナス・トランスファー軌道という、静止衛星の打ち上げで使われる、いくつかある軌道のうちのひとつに打ち上げる。
また、前回に引き続き、打ち上げ後のロケットの第1段機体を海上の船に降ろし、回収する試験も行われる。しかし、今回はロケットの飛行経路の問題で回収は難しいとみられており、スペースX社は自ら「成功する見込みはない」と明らかにしている。
スペースX社はロケットの低コスト化を狙い、打ち上げたロケットを回収し、再使用するための開発や試験を数年前から続けている。昨年末にはロケットを発射台に程近い陸上に着陸させることに成功しているが、それと並行し、ロケットを陸まで戻せない場合に、飛行経路の下にある洋上に浮かべた船の上に着地させて回収する試験も行っている。
船での回収は昨年1月と4月、そして今年1月にも行われているが、船の上空までに降りてくることはできたものの、甲板に激突、あるいは着地後に転倒するなどして機体が大きく破壊されており、完全な成功には至っていない。
Image Credit: SpaceX
■SES-9 MISSION | SpaceX
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