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宇宙航空研究開発機構(JAXA)などは2月17日、X線天文衛星「ひとみ」と一緒にH-IIAロケット30号機で打ち上げられた小型衛星3機について、ロケットからの分離に成功したことを確認し、その後の衛星からの電波受信にも成功した発表した。

「ひとみ」と3機の小型衛星を載せたH-IIAロケット30号機は、2月17日17時45分(日本標準時)、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられた。ロケットは順調に飛行し、離昇から14分15秒後に「ひとみ」を分離。さらにその約7分後から、3機の小型衛星も約5分間隔で順次分離された。

搭載されていた小型衛星は、名古屋大学の「ChubuSat-2」、三菱重工の「ChubuSat-3」、九州工業大学の「鳳龍四号」の3機。H-IIAロケットの打ち上げ能力に対して「ひとみ」の質量が小さく、余力が生まれたことから、小型衛星の搭載機会が与えられることになった。

ChubuSat-2(金シャチ2号)は名古屋大学や大同大学が開発した、超小型衛星ChubuSatシリーズの2号機。大きさは50cm角程度、質量は約50kgとなっている。主衛星である「ひとみ」と同時期、同軌道に打ち上げられることで、「ひとみ」の天体観測の妨げとなる放射線をモニタし、観測をサポートすることを目的としている。さらに、アマチュア無線アンテナを搭載し、アマチュア無線によるメッセージ交換などを行うという。打ち上げ後記者会見、また公式サイトを通じて、打ち上げ後に衛星からの電波の受信に成功したことが発表されている。

ChubuSat-3(金シャチ3号)は三菱重工をリーダーに、名古屋大学や大同大学、中部地域の企業などが開発した衛星で、高分解能カメラを搭載しており、氷河の減少や海岸線の後退といった地球温暖化の状況をモニタすることを目的としている。そのための高分解能カメラを搭載しています。さらに、スペースデブリを観測することも狙っているという。こちらも打ち上げ後記者会見、また公式サイトを通じて、打ち上げ後に衛星からの電波の受信に成功したことが発表されている。

「鳳龍四号」は九州工業大学が開発した衛星で、質量は10kgほど。宇宙空間で発生している放電現象の、電流の計測と発光した瞬間の写真撮影を目的としている。これまで、いくつかの人工衛星は帯電によって故障したと思われるものの、具体的な状況は謎に包まれており、鳳龍四号の観測によって衛星帯電研究の役立てたいとしている。また、18か国出身の、50人の学生からなるメンバーによって衛星の開発が行われたことも特長だという。鳳龍四号も打ち上げ後記者会見、また公式サイトを通じて、打ち上げ後に衛星からの電波の受信に成功したことが発表されている。