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宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2月17日夜、同日17時45分に打ち上げられたX線天文衛星「ASTRO-H」について、同日19時40分に内之浦局で衛星からの電波を受信し、太陽電池パドルの展開が正常に行われたことを確認したと発表した。

現在、衛星の状態は正常だという。今後、軌道計算結果について、2月18日以降に発表するとしている。

また、ASTRO-Hの名称を「ひとみ」に決定したことも発表された。「ひとみ」という名称の由来は、以下のとおりとなっている。

・「ひとみ」(ASTRO-H)が「熱い宇宙の中を観るひとみ」であること。
・画竜点睛(竜を画いてひとみを点ず)の故事において、ひとみを描きこんだ途端に、竜が天に昇ったことから示されるように、物事の最も肝要なところという意味に使われる。「ひとみ」(ASTRO-H) は、X線天文学において、物事を知るのに最も肝要なミッションになってほしいという願いが込められている。
・瞳は、眼の中で光を吸い込む部分でもある。ブラックホールは「宇宙の瞳」であるともいえる。「ひとみ」で「宇宙の瞳」を観測する。

なお、東京大学中須賀・船瀬研究室で開発され、現在運用中の超小型衛星PRISMの愛称も「ひとみ」であったが、今回の命名にあたり、同研究室には「ひとみ」の名前を用いることについて了解を得たという。

「ひとみ」は今後、衛星の太陽電池パドルの展開、姿勢制御機能や衛星を追跡管制する地上系設備の機能の確認など、一連の健全性を確立する「クリティカル・フェイズ」を1週間ほどかけて行い、観測に向けた準備を進めていく予定となっている。

Image Credit: JAXA