エアバス・サフラン・ローンチャーズ社は1月28日、開発中の欧州の次世代ロケット「アリアン6」の設計が完了したと発表した。当初の予定通り、2020年の初打ち上げを目指す。
アリアン6は、現在欧州の主力ロケットとして活躍中の「アリアン5」の後継機で、アリアン5よりも打ち上げ能力を高めつつ、打ち上げコストを約半分にすることを目指している。また固体ロケット・ブースターの装着数を2基と4基で選択でき、地球観測衛星1機だけの打ち上げから、商業用の静止衛星の2機同時打ち上げまで、幅広いミッションに対応できるロケットになる。
アリアン5はこれまでに84機が打ち上げられ、70機の連続成功を達成。現在、静止衛星の打ち上げ市場で約半分のシェアを握っているが、近年では米国スペースX社が開発した「ファルコン9」ロケットが、価格の安さを武器にシェアを拡大しつつある。欧州はアリアン6により、その地位を維持することを狙う。
エアバス・サフラン・ローンチャーズ社、アリアン6の開発と製造を担う会社として、欧州の航空宇宙大手エアバス社と、フランスのサフラン社とが50%ずつ出資した合弁企業で、2014年12月に立ち上げられた。同社は現在すでに、現行のアリアン5のプライム・コントラクター(主契約者)として活動している。
Image Credit: ESA
■Airbus Safran Launchers: a highly promising first year
http://www.airbusafran-launchers.com/wp-content/uploads/2016/01/ASL-1-year.pdf