9月2日に打ち上げ予定の「ソユーズTMA-18M」宇宙船を搭載した「ソユーズFGロケット」が、8月31日に発射台に設置された。これから、打ち上げに向けた準備作業が行われ、9月2日に国際宇宙ステーション(ISS)に向かう新しい3人の宇宙飛行士を乗せ、飛び立つことになっている。

ロケットは、カザフスタン時間2015年8月31日7時00分(日本時間2015年8月31日10時00分)、専用の貨物列車に載せられてロケット組立棟を出発した。途中スイッチバックを挟み、ロケットは打ち上げが行われる第1発射台、通称「ガガーリン発射台」に到着した。

そして列車に搭載された起立装置によってロケットが発射台の上に立てられ、その周囲に並ぶ支持アームによって支えられ、設置が完了した。

ソユーズFGロケットの先端には、ソユーズTMA-18M宇宙船が搭載されている。同機には、ロシア連邦宇宙庁のセルゲイ・ヴォルコフ宇宙飛行士(ソユーズのコマンダー)と、欧州宇宙機関(ESA)のアンドレアス・モーゲンセン宇宙飛行士(フライト・エンジニア)、カザフスタン宇宙庁のアイディン・アイムベトフ宇宙飛行士(フライト・エンジニア)が乗り込む。

打ち上げは現地時間2015年9月2日10時37分(日本時間2015年9月2日13時37分)に予定されている。なお、ここ最近のソユーズ宇宙船の打ち上げでは、ISS到着まで6時間しかかからない飛行経路が取られていたが、今回はISSの軌道の関係から、以前のように2日かかる経路を取る。ISSとのドッキングは2015年9月4日16時42分(日本時間)に予定されている。

ドッキング場所はロシアの「ポーイスク」モジュールで、これまでここにはソユーズTMA-16Mがドッキングしていたが、ソユーズTMA-18Mの到着に備えて、日本時間8月28日に「ズヴィズダー」モジュールへと移設されている。

なお、ISSは通常3人~6人体制で運用されているが、ソユーズTMA-18Mが到着すると、一時的に9人体制となる。

ソユーズTMA-18Mに搭乗する宇宙飛行士のうち、ヴォルコフ飛行士は、第45/46次長期滞在員として、ISSに約6か月間にわたって長期滞在する。そして今年の3月からISSに滞在しているスコット・ケリー、ミカエル・コニエンコ両宇宙飛行士と共に、往路と同じソユーズTMA-18Mで地球に帰還する予定となっている。

一方、モーゲンセン飛行士とアイムベトフ飛行士は、8日間のみの短期滞在となる。2人は9月12日に、現在ISSに第43/44次長期滞在員として滞在中のゲナディ・パダルカ宇宙飛行士と共に、すでにISSに停泊しているソユーズTMA-16M宇宙船に乗って帰還することになっている。

ソユーズTMA-18Mには当初、英国人歌手のサラ・ブライトマンさんが搭乗する予定だったが、今年5月に家庭の事情により延期を決定。またブライトマンさんのバック・アップ・クルーとして訓練していた日本人の高松聡さんも、今年6月に、より準備が必要であるためとして、ソユーズTMA-18Mではなく、より将来の飛行機会を待つことにしたと発表。それにより、カザフスタン宇宙庁のアイムベトフ宇宙飛行士が搭乗することになった。

 

■РОСКОСМОС: РН «СОЮЗ-ФГ» С ТПК «СОЮЗ ТМА-18М» ДОСТАВЛЕНА НА СТАРТОВЫЙ КОМПЛЕКС
http://www.roscosmos.ru/21691/