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スペースX社は2015年9月24日、「改良型ファルコン9」ロケットの第1段機体の、地上燃焼試験(スタティック・ファイア・テスト)を実施したと発表した。ファルコン9は今年6月に打ち上げに失敗し、飛行停止の状態が続いているが、2か月後ごろを目処に、この改良型を使って飛行を再開したいとしている。

スペースX社によると、試験は9月21日に、テキサス州マクレガーにある同社の試験設備で行われた。燃焼時間は約15秒で、同機の燃焼試験はこれが初めてだったという。

改良型ファルコン9(Upgraded Falcon 9)は、同社のファルコン9に改良を加え、打ち上げ能力を従来から約30%も向上させたロケットである。改良箇所はロケット全体に及び、第1段エンジン「マーリン1D」と第2段エンジン「マーリン1Dヴァキューム」の推力向上、第1段機体の構造の改良、第1段と第2段をつなぐ段間部の構造と分離機構の改良、第2段機体の延長と推進剤の搭載量が増加など、多岐にわたる。

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これにより、従来型のファルコン9は地球低軌道に最大13.2トン、静止トランスファー軌道に最大4.85トンの打ち上げ能力をもっていたが、改良型では地球低軌道に約17トン、静止トランスファー軌道には6.3トンになる。

この改良型の打ち上げ時期についてはまだ公表されていないが、おおよそ2か月後の今年11月ごろになると言われている。ファルコン9は今年6月28日、打ち上げに失敗し、以来飛行停止の状態が続いており、この改良型の1号機の打ち上げが、ファルコン9にとっての飛行再開にもなる。

6月の失敗については、スペースX社は7月20日に、第2段の液体酸素タンク内にある、ヘリウム・タンクを固定する支柱が壊れたことが原因である可能性が高いとの見方を発表。この支柱を供給した業者からの購入を止め、また検査を強化するなどの対応をしたと明らかにしている。ただ、現時点ではまだ、最終的な原因や結論は公表されていない。

また宇宙開発専門メディアのSpacenewsやSpaceflight nowが伝えたところによると、マスク氏は24日に、ドイツで開かれたシンポジウムの中で「(改良型による打ち上げ再開は)6週間から8週間後」との見通しを発表したという。

この再開1号機では、ルクセンブルクの衛星通信会社であるSES社の「SES-9」を搭載し、静止トランスファー軌道に向けて打ち上げる。SES-9は打ち上げ時の質量が5330kgもあるため、従来型のファルコン9では打ち上げることすらできなかった。

さらに、この打ち上げでは、ロケットの第1段機体を、大西洋上に浮かべた船に着地させ、回収する試験もおこなうとしている。

同社はロケットの打ち上げコストを大幅に下げることを狙い、打ち上げ後の第1段機体を、海上や、無人の船の上に降ろす試験を繰り返しおこなっている。これまでに7回(海上へ5回、船の上へ2回)行われているが、まだ回収まで成功したことはない。

この試験ができるのは打ち上げ能力に余裕があるときだけで、たとえば静止衛星などの打ち上げではロケットの能力を最大限使わなければならないため、着地に使うための着陸脚や、追加の推進剤を積む余裕がなかったが、打ち上げ能力が向上した改良型ファルコン9であれば、その制約が改善されることになる。

■Upgraded Falcon 9 First-Stage Static Fire | 9/21/15 – YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=qbe1KNUBEEU&feature=youtu.be

Image Credit: SpaceX

 

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