8月24日の夜に国際宇宙ステーション(ISS)に到着した「こうのとり」5号機は、8月25日の2時28分(日本時間、以下同)にISSとの結合が完了した。今後、船内と船外に積まれている貨物が、順次ISSに移送される。

「こうのとり」5号機は、8月24日の19時29分に、油井亀美也(ゆい・きみや)宇宙飛行士が操作するISSのロボット・アームによってキャプチャー(把持)された。

その後、地上からのロボット・アームの操作によって、ISSの「ハーモニー」モジュール(ノード2)まで運ばれ、23時58分には16本のボルトによって接続され、取り付け作業が完了した。

そして、「こうのとり」とハーモニーとの間の気圧が調節された後、電力と通信を送るケーブルが接続され、8月25日2時28分に結合が完了した。到着が早かったこともあり、計画からおよそ25分ほど前倒しで作業は進んだ。

これから順次、宇宙飛行士によって、船内と船外に積まれている貨物がISSに移送されることになっている。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)の有人宇宙技術部門HTV技術センター長の成田兼章(なりた・かねあき)さんは「皆さんご支援ありがとうございました。これからが私どもの本番です。運んだ荷物をISSを船内に移動させ、船外の物資も移動させ、そして廃棄物を積んで再突入と、これからもミッションが続きます。これからもよろしくお願いします」と語った。

また、HTV5リード・フライト・ディレクターの松浦真弓(まつうら・まゆみ)さんは「無事、『こうのとり』は油井宇宙飛行士によって把持され、結合も完了もしました。ここまでのところは順調に進んでいます」と語った。

「こうのとり」(HTV)は無人の補給船で、ISSに水や食料品、生活用品、そして実験機器やISSの予備部品などの物資を輸送することを目的に開発された。打ち上げ時の質量は約16.5トンで、最大で約6トンの物資を搭載することができる。

今回の5号機には合計で5.5トンの物資が搭載されており、そのおよそ3分の1が飲料水や食料品、もう3分の1がISSで使われている部品の補給品、そして残りの3分の1を実験機器が占めている。

「こうのとり」は、1気圧に保たれた「与圧部」と、宇宙空間に曝け出された「非与圧部」の、2か所の異なる貨物の搭載区画を持っており、与圧部には飲料水や食料品、日用品や実験パレットを、非与圧部にはISSの船外に設置する部品や、大型の実験機器や観測機器などを搭載することできるようになっている。

物資の搬出作業などが行われた後は、ISSで発生したゴミや、不要になった実験機器などを搭載し、ISSから離脱。大気圏に再突入して燃え尽き、ミッションを終える予定となっている。現時点では、まだミッション終盤の具体的な予定は発表されていない。

 

■JAXA | 宇宙ステーション補給機「こうのとり」5号機(HTV5)の 国際宇宙ステーションとの結合について
http://www.jaxa.jp/press/2015/08/20150825_kounotori5_j.html