中国国家航天局は2015年12月29日1時04分(日本時間)、地球観測衛星「高分四号」を搭載した「長征三号乙」ロケットを、西昌衛星発射センターから打ち上げた。
航天局や中国国営メディアなどは「打ち上げ成功」と発表している。また米軍のレーダーによっても、構文四号と思われる衛星が軌道に乗っていることが確認されている。
高分シリーズは中国が構築を進めている民間向けの地球観測衛星システム「中国高分解能地球観測システム」(CHEOS、China High-resolution Earth Observation System)を構成する衛星で、「高分」とは「高い分解能」という意味をもつ。複数の光学衛星と合成開口レーダー衛星からなるコンステレーション(衛星群)を展開することを目指しているとされる。取得されたデータは、主に国土調査や都市計画、道路の設計、農作物の生産量の見積もり、防災・減災などに用いられ、さらに中国が進める「シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード」(1ベルト、1ロード」)などの戦略や、国防などにも活用されるとしている。
これまでに一号、二号、八号、三号の順番に打ち上げられているが、これらはすべて地球を南北に回る極軌道(正確には太陽同期軌道)に投入されたのに対し、今回の四号は静止軌道に投入されている。
静止軌道は地表から高度約3万6000kmにあり、その遠さから、地表を観測しても荒い画像にしか写らないため、地球観測衛星が投入されることはまずない。おそらく、これまでに打ち上げられた高分シリーズでは地表を細かく、しかし狭い範囲とある一定の頻度で観測し、高分四号では荒い画像ながら広範囲を常時観測することを目的にしていると考えられる。
公開されている想像図では、宇宙望遠鏡のような大型の光学機器をもっていることが確認できる。分解能は可視光で50m、中波赤外光で400mの性能をもつという。
Image Credit: CNSA
■高分四号卫星成功发射为中国航天“十二五”圆满收官
http://www.cnsa.gov.cn/n1081/n7529/n308608/799245.html