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宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2015年12月14日、「はやぶさ2」が今月3日に実施した地球スイングバイの直後に撮影された、地球の画像を公開した。

「はやぶさ2」は3日の夕方から夜にかけて、地球の引力を使って軌道を曲げ、その際に地球の公転速度をもらうことで探査機の速度を上げる「地球スイングバイ」を実施した。

この画像は「はやぶさ2」がスイングバイ後、地球から離れるときに、搭載している「ONC-T」と呼ばれる光学航法望遠カメラで撮影したもので、南極とその周辺の様子が写っている。

ONC-Tでは7つのフィルタを使って撮影することができ、このうち3色の画像を使ってカラー画像として作成したものが、この画像となる。画像にはオーストラリア大陸や南極大陸が見えている。

ONC-Tは、物による反射の性質の違いを利用し、小惑星「リュウグウ」のどこに有機物や含水鉱物があるかを確認し、着陸する場所を決めることができる。

そこで、その性能を活かして、2色の画像から植物の存在を示す場所を明るく表示した画像や、氷と雲で反射の性質が異なる2色を使い、雲を白く、氷を青く表示し、同じ色に見える雲と南極の氷を見分け、海岸線や南極横断山脈などの地形も確認できるようにした画像も作成、公開された。

事前に試験は行われているが、今回の地球観測でしっかりとその性能が発揮されていることを確認できたとしている。

Image Credit: JAXA

■「はやぶさ2」が撮影した南極とその周辺 | JAXA はやぶさ2プロジェクト
http://www.hayabusa2.jaxa.jp/topics/20151214/