NASA月探査機、「アポロ16」を打ち上げたロケットが月面に衝突した痕跡を発見

アメリカ航空宇宙局(NASA)は2015年12月3日、月を周回中の探査機「ルナー・リコネサンス・オービター(LRO)」のデータから、1972年に「アポロ16号」を打ち上げた巨大ロケット「サターンV」の第3段機体「S-IVB」が月面に衝突した痕跡を発見したとする発表をしました。

アポロ16号は1972年4月16日、ジョン・ヤング、チャールズ・デューク、ケン・マッティングリーの3人の宇宙飛行士を乗せて打ち上げられた。宇宙船と彼らを搭載したサターンVロケットは、まず地球低軌道に乗り、続いてS-IVBのロケット・エンジンを再度点火し、宇宙船を月へと向かう遷移軌道に乗せた。

その一方で、アポロ計画では13から17まで、このS-IVBを月面にぶつけ、その衝撃を月に設置した地震計で観測し、月の内部構造を調べるという実験が行われていた。LROはこれまでに、アポロ16以外のS-IVBの衝突痕は発見していたが、アポロ16を打ち上げたS-IVBは、衝突までに地球との通信が切れてしまったことで、衝突地点がどこなのかは正確にはわかっていませんでした。

今回発見されたのは、コペルニクス・クレーターから南西に260km行ったところにある「島の海」と呼ばれる領域で、衝突地点は40 x 30mの楕円形のクレーターになっています。これまでの推定から30kmほどずれており、そのため発見に時間がかかったとのことです。

 

Source

  • Image Credit: NASA/Goddard/Arizona State University
  • NASA - Apollo 16 Booster Rocket Impact Site Found

文/sorae編集部