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宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2015年12月7日に、金星探査機「あかつき」を、金星を回る軌道に投入することに挑戦する。「あかつき」は5年前にも軌道投入に挑戦したが、機体のトラブルにより失敗。今回が最後の挑戦となる。

「あかつき」は2010年5月21日、日本初の金星探査機として打ち上げられ、同年12月7日に金星周回軌道に入るため、ロケット・エンジンを噴射した。しかし、機体にトラブルが起きてエンジンが破損、軌道投入に失敗した。その後、太陽のまわりを回りながら、再挑戦の機会を伺っていた。

そしてJAXAは2015年2月に、2015年12月7日に再挑戦すると発表。メインのエンジンは壊れているため、姿勢制御に使う小型のエンジンを長時間噴射することで軌道投入を狙う。

小型エンジンの噴射開始は12月7日8時51分で、20分33秒間にわたって噴射を続ける。もしこの間に何かが起きて噴射が止まったとしても、反対側にある別の小型エンジンを使って追加の噴射ができるようにあらかじめプログラムが組まれている。また、7日の行動はすべて探査機自身の判断で行うことになっており、6日中にはすでにそのためのプログラムが探査機に送られている。

「あかつき」はすでに設計寿命である4.5年を過ぎており、また5年前の失敗の結果、予定よりも太陽に近付く軌道を飛んでいたことから、探査機は疲労がたまっており、噴射中や噴射後に壊れる可能性もあり、簡単な挑戦ではない。また、機体寿命の関係と、今回の挑戦で燃料をほぼ使い切ってしまうことなどから、今回が金星に到着できる最後の機会となる。

Image Credit: JAXA/池下章裕

■ISAS | 金星探査機「あかつき」金星周回軌道投入へ
http://www.isas.jaxa.jp/j/enterp/missions/akatsuki/compile/index.shtml