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小惑星「リュウグウ」を目指して飛行を続けている小惑星探査機「はやぶさ2」が、2015年12月3日に地球をスイングバイし、リュウグウに向けた軌道に乗る。

2014年12月3日に打ち上げられた「はやぶさ2」は、この1年間は地球の軌道と似た軌道を飛び、太陽の周りを公転していた。そして、ちょうど1年後となる今年12月3日に地球に接近し、地球の重力を利用して軌道を変える「地球スイングバイ」を実施。リュウグウに向かう軌道に乗る。

スイングバイを行うためには、事前に正確な軌道に入っている必要があり、JAXAではそのための軌道修正を11月3日と11月26日に実施。その結果、「はやぶさ2」が計画通りの軌道に乗っていることが確認されている。スイングバイ時にはエンジン噴射などは行わないため、よほどのことが起きない限りは、成功する見込みである。

地球に最も近付くのは3日19時7分ごろ(日本標準時)で、そのときの高度は約3100km、場所は太平洋上空となっている。このスイングバイによって、太陽に対する「はやぶさ2」の速度は、約30.3km/sから約31.9km/sに増速する。なお、最接近時の地球に対する速度は、約10.3km/sである。

また、大型の天体望遠鏡を使うことで、スイングバイする「はやぶさ2」の姿を観測できる可能性もあり、日本各地の天文台や博物館、天文家らが観測に挑戦する。

Image Credit: JAXA/池下章裕

■「はやぶさ2」の地球スイングバイ軌道が確定しました
http://www.hayabusa2.jaxa.jp/topics/20151202/